2011 Fiscal Year Annual Research Report
点字,触知案内図,凸記号の表示方法に関する触知覚特性の評価
Project/Area Number |
22300202
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤本 浩志 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (60209103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 幸輝 国立特別支援教育総合研究所, 教育研修情報部, 研究員 (10409667)
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Keywords | 点字 / 触知案内図 / 凸記号 / 表示方法 / 触知覚特性 / 識別特性 / 触読性 / 操作性 |
Research Abstract |
視覚的な情報入手に対して配慮が必要な視覚障害者にとっては,触覚を活用したツールの標準化は重要である.このような背景の下,点字や触知案内図,家電製品への凸記号の各表示方法に関する日本工業規格(JIS)が既に制定されており,これらのJISを基にして新たな国際規格(IS)がISOに提案され,一部IS(凸記号)が制定されている.しかしながら,各ツールにおいてヒトの触知覚特性に基づく客観的なデータが必ずしも十分に揃ってはいない.そこで本研究では,触知案内図・点字・凸記号を効果的に表示するために必要なそれぞれの触知覚特性を明らかにすることを目的とした.具体的には触知案内図に用いられる面パターンの感覚特性や識別特性,点字-面パターンの間隔と点字の触読性の関係,携帯電話のような家電製品の操作性向上に適う凸記号(凸点に着目)の各寸法を明らかにする.2年目は,触知案内図のストライプパターンの線間隔と識別特性の関係について,視覚障害者(若年者・高齢者)を対象とした識別実験を行った・また,点字-ドットパターンの間隔と点字の触読性の関係については,点字触読経験者(視覚障害者)を対象とした触読性評価実験を実施した.更に,凸点の曲率半径及び高さと携帯電話のような家電製品の操作性についても,晴眼者(若年者・高齢者)を対象とした実験により評価した.その結果,視覚障害者における「ストライプパターンの線間隔と識別特性」や「点字とドットパターンの距離と点字触読性」,「凸記号の高さ・曲率半径が携帯電話の操作性に及ぼす影響」が明らかになった.最終年度は,触知案内図,点字,凸点の触知覚特性の更なる知見を得るためにそれらの評価実験を継続して行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究目的に対応した具体的な研究課題について、それぞれ実験を行う。ことができており,実験データについては当該領域の学会発表や誌上発表(査読付)を行うことができた.それ故,当初の計画以上に研究成果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策については,触知案内図,点字,凸点の触知覚特性の更なる知見を得るためにそれらの評価実検を継続して行う予定である.また,実際に研究成果を反映した触知案内図の作成も手掛ける予定である.
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