2012 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ実践における人間の生の経験を生かした身体教育と人間形成に関する研究
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22300209
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
畑 孝幸 長崎大学, 教育学部, 教授 (00156332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 正美 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50294393)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 体育 / 人間形成 / スポーツ実践 / 身体性哲学 / 哲学的人間学 |
Research Abstract |
本研究は、4年の期間を設けて、スポーツ実践における人間の生の経験と体育における人間形成の可能性について検討するものである。スポーツにおける「他者との交流」や「コミュニケーション」によって得られる人間の多様な生の経験が、児童・生徒の直面する「心と体の問題」の解決に向けて貢献できるのだという観点から、「スポーツと人間の生の経験」、「スポーツの教育的価値」、「体育における人間形成」について考察しようとした。そのために設定した課題は次の五つ、すなわち、(1)「心身を一体として捉える」とはどういうことか、(2)「体や心への気付き」とは何か、(3)他者との交流を必然とするスポーツ実践における人間の生の経験とは何か、(4)「生きる力」を育む体育においてスポーツによる人間形成の可能性はあるのか、(5)体育でなければ成しえない人間形成の意義とは何かであった。 三年目にあたる本年度は以下のような成果を得た。(1)スポーツ実践における人間の生の経験と人間形成の可能性について、特に「いじめ」や「非行」の被害に直面する児童・生徒に対して体育は何ができるのかということについて、研究の手順を確認することができた。(2)「スポーツ実践における人間の生の経験とは何か」について明らかにし、その成果を発表することができた。(3)「『生きる力』を育む体育におけるスポーツによる人間形成の可能性」について検討を進め、スポーツにおける人間の生の経験が体育において持つ意義について明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の計画通りに進行しているが、時間不足のために十分な考察ができなかった問題もある。年度末に海外共同研究者に研究成果のレビューを受ける予定だったが、準備不足のため、かなわなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画を変更する必要はないと思われる。今年度は、昨年度からの積み残しの問題の解決も含めて、早めに成果を出せるよう心がける。
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