2011 Fiscal Year Annual Research Report
高温環境における現代日本人の適応能力に関する総合的解析
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22300229
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
芳田 哲也 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (00191601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寄本 明 滋賀県立大学, 国際教育センター, 教授 (30132278)
中井 誠一 京都女子大学, 家政学部, 教授 (90090092)
新矢 博美 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (70201564)
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Keywords | 保健健康管理 / 熱中症 / 安静時代謝 / 体温 / 暑熱順化 |
Research Abstract |
本研究では地球温暖化や熱中症等に対処できる現代日本人の健康水準を向上させるために,高温環境における現代日本人の適応能力を総合的に解析・評価し,最終的に高温環境における適応能力を向上させる方策について検討することを目的とする。 今年度は,現代日本人の運動習慣が環境変化に対する生理学的・生気象学的反応に与える影響を調査・実験から明らかにするため,健康成人男女を運動習慣の有無により計4群に分類し,安静時のエネルギー代謝,睡眠時の水分損失,温熱負荷に対する熱放散反応,日常生活時に暴露されている温度と自然環境の気温を春夏秋冬に測定した。 その結果、一週間に3日以上の運動習慣を有する男性被験者群は日常生活時に暴露される温度が各季節の環境温度に近似し,さらに睡眠時の水分損失や安静時代謝,および温熱負荷に対する熱放散反応に明らかな季節変動が認められた。しかし、一週間に2日程度の運動習慣を有する女性被験者群や運動習慣を有しない男女被験者群については日常生活時に暴露される温度が夏に低く,冬に暖かい傾向が認められた。さらにこれらの被験者群には睡眠時の水分損失や安静時代謝,および温熱負荷に対する熱放散反応に顕著な季節変動が認められなかった。 したがって高温環境における現代日本人の適応能力は運動習慣の有無や,その程度によって異なり,特に一週間に3日以上の運動習慣を有する男性には環境変化に対する暑熱適応現象が認められることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現代日本人の環境変化(春夏秋冬)に対する生体反応を明らかにする生理学的・生気象学的測定・実験が概ね実施できており,運動習慣と環境適応能力との関係が明らかになりつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査・研究においては,一週間に3日以上の運動習慣を有する男性には環境適応現象が認められたが、2日程度の運動習慣を有する女性にはその兆候が認められなかった。 したがって、今年度は一週間に3日以上の運動習慣を有する女性を対象として調査・実験を実施し、運動習慣の程度と環境適応能力との関連について検討する。
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Research Products
(47 results)