2011 Fiscal Year Annual Research Report
身体活動・運動による大腸がん発症予防機序に関する研究
Project/Area Number |
22300241
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
田畑 泉 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20188402)
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Keywords | 身体活動 / 運動 / 大腸ガン / プロテオミクス法 |
Research Abstract |
身体活動・運動による大腸ガン発症予防作用は多くの疫学的研究により明らかにされている。しかし、その機序は未だに明らかになっていない。そこで我々は、多段階発症過程で発症する大腸ガンの最初の過程であるACF発生に、有酸素性走運動、水泳運動が抑制効果を持つことを明らかにした。さらに我々は、従来、あまり注目されていなかった短時間・高強度・間欠的水泳運動トレーニングが、中等度運動トレーニングと同様にDMH誘発性のACF発生を抑制することを明らかにした。これは、活動筋から運動強度依存性(たとえばAMPK)に放出される分子が大腸内皮細胞に直接働いていることを示唆している。 そこで、今年度は、ACFを構成する内皮細胞と正常内皮細胞を単離して、そこに発現しているタンパク質を網羅的に分析するショットガン方式によるプロテオミクス法の開発を行うことを目的に、高強度・短時間・間欠的水泳運動トレーニングによるラット骨格筋のタンパク質発現を網羅的に分析する技術の確立のための実験・研究を行った。その結果、従来、我々が報告した2D DIGE法による網羅的なタンパク質発現分析とは異なるタンパク質の発現が見られた。特に骨格筋の細胞膜に発現するタンパク質に新規性のあるタンパク質が見られた。またmicrodisection法によるACF単離については、現在、鋭意、手技の習得中である。また、剖検後にプロテオミクスにかけるための最適前処理法についてもほぼ明らかとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ACF細胞を単離して、正常細胞との差を見ることや、ショットガン法によるプロテオミクス法の分析方法について、ほぼ解決することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
新しい測定・試験系である腸管上皮細胞の3-D培養系を用いて今後、研究を行う予定であり、どのような未知の生体内シグナルが、身体活動・運動による大腸ガン発症予防機序に関連しているかを網羅的に明らかにする。
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Research Products
(3 results)