2010 Fiscal Year Annual Research Report
情報社会における育児期の親のIT利用と家族関係:日米比較から
Project/Area Number |
22300246
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
石井クンツ 昌子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (70432036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 カツコ お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 名誉教授 (70008035)
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Keywords | 社会学 / 家族関係 / IT利用 / 子育て / 日米比較 / 国際情報交換 / アメリカ |
Research Abstract |
近年、日本では父親役割の重要性が啓発されてきたが、現実に目を向けると父親の育児・子育て参加は未だ少ない。この背景をもとに、本研究の目的は父親が子育ての中でIT機器をどのように活用しているかを把握し、父親のIT利用の家族関係などへの影響を検討することである。父親の子育て参加におけるIT利用の有用性を示すことが可能であることが本研究の有意義な点であると考えている。また、本研究の結果は学術・政策・教育面へ重要な示唆を与えると予想する。 2010年度の研究では育児期の父親が子どもとの関わりの中でどのようにIT機器(携帯電話・パソコンなど)を活用しているのかに焦点を当てて、東京周辺に住む就学前の子どもを持つ父親を対象に、グループインタビュー(2010年10月)と郵送調査(2011年2月)を実施した。グループインタビューから明らかになったことは(1)妻の有職、無職にかかわらず、父親はIT機器を情報収集のために使用していること、(2)対面的なコミュニケーションが難しい父親同士がEメールを通じて連絡を取り合うことで、地域参加が可能になっていることなどである。調査票データ(標本数475名)の主な結果は(1)父親が携帯電話やパソコンといったITを通じて、妻との育児に関するコミュニケーションを多く行うほど、対面でも育児に関する妻との会話が多くなり、結果として父親の育児頻度を多くしていること、(2)父親が携帯電話を使って、父親同士で育児を中心としたネットワーキングを行っているほど、育児頻度が多くなること、(3)子どもの過度のIT利用を心配する父親は、子どもの行動をモニタリングするという父親役割を果たしていること、(4)父親は育児情報の収集にITを利用するほど、妻とのコミュニケーション頻度が高く、その結果、夫婦関係が良好なことなどである。これらの結果を基に、2011年度は米国において同様のデータを収集し、日米比較を試みる。
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Research Products
(14 results)