2011 Fiscal Year Annual Research Report
放課後の子どもの生活を地域で支えるにあたって学童保育が果たす役割に関する研究
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22300251
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Research Institution | Kyoto Kacho University |
Principal Investigator |
藤井 伸生 京都華頂大学, 現代家政学部, 教授 (50228954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 徹 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (60222171)
小伊藤 亜希子 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 准教授 (90257840)
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Keywords | 学童保育 / 全児童対策 / 地域 / 放課後 |
Research Abstract |
近年、女性の社会進出や核家族化の進行にともない学童保育のニーズは高まっている。今後、学童保育児童が過半数を占める新たな時代が訪れる中、「学校」でも「家庭」でもない「放課後」の時間に、子どもたちへ豊かな生活を提供することの重要性は高まっていると言える。放課後の望ましい生活を考察するため本年度実施した国内外の主な研究は以下のとおりである。 (国内)全児童対策の活動実態を把握するため、大阪市の全小学校内で実施されている「放課後いきいき事業」を調査対象とし、すべての事業への郵送調査及び、学校規模の異なる6校への訪問ヒアリング調査を実施し、分析を行った。その結果、留守家庭児童に対する生活の場の確保について、専用室・専任指導員などの観点からの課題が浮き彫りになった。 (国外)日本と同様、共働き世帯と専業主婦世帯が混同するオンタリオ州トロント市の放課後施策について把握するため行政担当課へのヒアリング調査を実施した。また放課後の子どもの生活実態調査を実施するため、子ども、保護者、教員、学童保育指導員へのヒアリング調査を実施した。その結果、トロント市では特に低所得世帯が多く住む地域において、重点的に事業を展開している実態が把握され、実際、該当地域の子どもたちは公的な活動に主に参加していることが把握された。一方、所得が高い世帯は地域のコミュニティーセンターの他、様々な民間の習い事を活用している実態が把握された。所得の格差が、子どもたちの放課後生活にも大きな影響を与えているという実態が明らかとなった。また日本と文化的背景が近い東アジアの中国、台湾、韓国の子どもの放課後の状況についても概況を把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたとおり海外の典型事例もまわり、日本の学童保育の役割について検討を進めていることからおおむね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
諸外国の放課後生活の典型事例を把握するため3年目である今年度はニュージーランドでの調査を予定している。また国内及び東アジアでの子どもたちの放課後生活について、特に「地域との関わり」に着目し、調査を進める。 そして最終的には、国内外の子どもたちの放課後生活について分類を行い、放課後生活を支えるための学童保育の役割について考察し、まとめることとする。
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Research Products
(7 results)