2011 Fiscal Year Annual Research Report
中国・内モンゴル自治区におけるバイシンの間取りの変容に関する研究
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22300253
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
中山 徹 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (60222171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増井 正哉 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (40190350)
武藤 康弘 奈良女子大学, 文学部, 教授 (80200244)
〓 茹 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 博士研究員 (50570256)
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Keywords | 内モンゴル / バイシン / 住み方調査 / ゲル / シリンゴル / アラシャン / 赤峰 |
Research Abstract |
内モンゴル自治区のうち、シリンゴル盟、アラシャン盟、赤峰市、通遼市でバイシンの現状調査を行っている。平成23年度に実施したのは、シリンゴル盟、アラシャン盟であり、通遼市については準備調査を行った。 アラシャン盟では3回の現地調査を行い、バイシンの実測調査、ゲルの利用状況、居住者の属性、住み方などの調査を行った。シリンゴルでは1回の現地調査を行い、アラシャン盟で把握した項目以外に、敷地割りのデータを入手した。通遼市では平成24年度に現地調査を行う予定であり、その調査地の選定を行い、調査の許可を得た。 アラシャン盟では、2箇所のガチャに調査に入り、ほぼ悉皆調査を行った。アラシャンは沙漠地域が多く、早くからゲルがバイシンに置き換わった地域である。ゲルがバイシンにいつ、どのような形で変化したかをおおむね把握できた。また、初期につくられたバイシンはシリンゴル盟で見られるような平面であったが、途中から、中庭形式のバイシンが増えだし、アラシャン盟の大きな特徴であると判断した。 シリンゴル盟では、敷地割りとゲルの出現頻度の関係を詳細に調べている。敷地が一箇所にまとまっている場合、敷地が狭ければオトルは存在せず、ゲルはほとんど使われない。敷地が広い場合、敷地内でオトルが発生し、ゲルも比較的使われている。また、敷地が二箇所以上に分割されている場合、拠点となる敷地ではバイシン、もう一方はオトルとなり、ゲルも比較的使われている。その関係を敷地割りと照らし合わせながら検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アラシャン、シリンゴルでおおむね予定したとおり調査が進んでいる。通遼市では準備調査が終わり、平成24年6月に本格調査に入る予定である。赤峰市でも調査のめどが立ち、平成24年6月に準備調査、平成24年9月に現地調査を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に実施する調査の予定は下記の通りである。 アラシャン盟:6月、9月 通遼市:6月 赤峰市:6月(準備調査)、9月 シリンゴル盟:9月 おのおのにおいて、バイシンの実測調査、住み方調査、ゲルの使用状況などを調査する予定である。 また、都市部に転居したモンゴル族の住み方について、上海で調査の可能性を検討し、可能な範囲で調査を実施する。さらに、伝統的な住居として福建省の土楼を取り上げ、保存状態などを比較検討する予定である。
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Research Products
(5 results)