2012 Fiscal Year Annual Research Report
アジア・北欧諸国のセイフ・コミュニティにおける自助-共助の仕組みに関する研究
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22300254
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
水村 容子 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (30331341)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | セイフコミュニティ / 安全 / 安心 / スウェーデン |
Research Abstract |
平成24年度においては、前年度までに実施した長野県小諸市におけるアンケート調査の調査結果の公表および北欧スウェーデンにおけるセイフコミュニティ活動に関する調査活動を展開した。 2012年6月4~5日、スウェーデンのファルシェーピンにおいて開催された、第3回セイフコミュニティ・ヨーロッパ地域会議では”Analysis on hope and interest of Residents on community security and safety in Komoro city in Japan"というタイトルで、同年6月24日~29日にイギリスのグラスゴーで開催された国際人間環境学会(IAPS)では、" Analysis on Relationship between Attachment and Community Safety -The example of safety promotion of Komoro city in Japan"として、その研究成果を公表した。 調査活動に関しては、主として、スウェーデンの首都ストックホルム市に隣接するナッカ市における高齢者の安全・安心活動の推進状況を把握した。ナッカ市は、市内の高齢者住宅における事故予防活動を重点的に展開しており、WHOから「高齢者の安心安全活動の推進(Safety Elderly)」の認証を受けている。具体的には、市内に所在するナッカ市立高齢者センター「エクトロップ」における、職員、高齢者およびその家族による協働でのPDCAサイクル活動の展開によって、高齢者の安全が推進されている。本研究においては、その活動の実施状況を、職員へのヒアリング調査および「エクトロップ」への訪問調査によって、把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本国内でのアンケート調査および国外(平成24年度においてはスウェーデン)でのケーススタディ調査は進行しており、おおむね計画通りに研究は進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度においては、国内の自治体より、住民の安全・安心に対する意向調査を引き続き、別の自治体で実施する予定である。現段階では、秩父市での調査の実施、小諸市での追跡調査内容の検討、北本市での外傷サーベランス委員会への参加を予定している。 加えて、今年度は、アジア地域でセイフコミュニティ活動を具体的に展開する自治体のケーススタディ調査を実施していきたいと考えている。具体的には、台湾および韓国を想定しており、台湾においては、セイフスクールの認証を受けている淡江大学、韓国においては、スウォン市、チェジュ市を想定しており、今後調査の申し入れを実施していく予定である。具体的な調査項目としては、①活動開始にいたったきっかけ、②認証までの活動展開、③活動推進体制、④地域特性に応じた活動の特徴、⑤具体的な活動の実施状況、⑥今後の活動の継続性に関して、などである。 両国において、認証申請に際した申請書を作成した担当者は英語によってコミュニケーションが可能であるものと思われるが、それ以外の職員とのコミュニケーションに問題が生じる可能性が大きい。そのための対応として、通訳者の確保などを考えて行きたい。
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