2013 Fiscal Year Annual Research Report
アジア・北欧諸国のセイフ・コミュニティにおける自助-共助の仕組みに関する研究
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22300254
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
水村 容子 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (30331341)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | セイフ・コミュニティ / 自助 / 共助 / 公助 / 安全・安心 / 秩父市 / スウェーデン / オランダ |
Research Abstract |
平成23年度においては、埼玉県秩父市における、セイフ・コミュニティ申請前の時点における住民の安全・安心への意向およびセイフ・コミュニティ活動への評価に関するアンケート調査および、スウェーデン・オランダにおける追跡調査を実施した 秩父市におけるアンケート調査に関しては、一昨年度に実施した小諸市での調査との比較から、住民全般的に今後の高齢化や病気などになった際の生活保障に対する不安が強い状況が明らかになった。また、住民サイドとしては、地域内での安全・安心の確保に対して、公助に期待すると同時に、より一層の地域のつながり、すなわち共助の必要性を実感している状況が明らかになった。さらには、行政区域内の地域ごとに、基本的にはそれぞれの地域の人口構造や産業構造などに応じて、不安の内容が異なっている状況も明らかになった。この調査結果は平成26年度、論文などによって公表する予定である。 一方、スウェーデン・オランダにおいてはセイフ・コミュニティ認証自治体には限定しなかったが、高齢者が最期まで安心して、地域・在宅において居住継続する、その仕組みについての調査を実施した。スウェーデンでは、在宅医療を所管するストックホルム県および終末期の高齢者へ緩和ケアを提供する医療機関の活動実態、オランダにおいては、高齢者住宅およびその周辺地域との関連に関する調査を実施した。いずれの国においても、住宅-在宅ケアサービス-在宅医療サービスの連携が有効に機能し、多くの高齢者が最期まで在宅生活を実現している状況が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北欧およびわが国における調査は順調に進行している。一方、当初の課題設定であったアジア諸国、すなわちわが国以外での調査が実現してない。次年度において、その対応を行って行きたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、上述の通りアジアの何れの国のセイフ・コミュニティのケーススタディおよび、日本でアンケート調査を実施した、小諸市・秩父市のフォローアップ調査の必要性を感じている。特に、小諸市は既にセイフ・コミュニティの認証を取得していることから、取得後の状況を、前回と同じ内容のアンケート調査を実施するなどして、認証前と後とでの評価の違いを把握し、セイフ・コミュニティ活動の地域に対する効果を測定する必要があると考える。 アジアおよび、小諸市・秩父市での追跡調査を実現させた上で、研究の最終的な総括を行っていきたいと考えている。
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