Research Abstract |
基礎的な理科教育力を有し,先端科学技術,自然環境など,現代社会が抱える問題を理解し,児童・生徒に伝える能力を持った教員を育成・養成する上で必要とされる大学での理科担当教員養成のためのスタンダード・カリキュラムを追究し,理科教員養成カリキュラムのモデルを構築するため,(1)教育界,企業・経済界から要望される教師像及び教員養成の展望ついて,シンポジウムを開催して,考察し,(2)米国と欧米の理科の教員スタンダード・カリキュラムを調査・分析し,学芸大学のそれと比較し,(3)小中学校の学習指導要領に定められている項目から先端科学に触れる内容を指導するための実験・観察教材を開発した.問題解決能力の育成が教師像及び教員養成では望まれることが分かった.米国,カナダ,フランス,ドイツ,スウェーデンの理科の教員養成のスタンダード・カリキュラムを調査・分析した.学芸大のカリキュラムは,要求単位数で比較すると,米国北コロラド大学に次ぎ二番目であること,限られた時数内で,異なる理科の分野の内容を履修できるように配慮されているものであることが分かった.実験・観察の教材は,(1)化学分野の「想像から創造へ」(SEIC)プログラムの方法論に基づく教材,(2)人間活動と河川水質および珪藻群集の関係を理解するためのシミュレーション教材,(3)海洋観測データを個人のパソコン上で解析するツールを開発し,地球温暖化による気候変動についての教材,(4)植物の蒸散や養分吸収,重力応答における植物ホルモンの働き,受精のメカニズムを理解するための教材,(5)食物網とエネルギー流解析による恐竜時代から現在にいたる複数の時代の陸上生態系を復元する教材,(6)身の回りで活用されているエネルギー・環境問題に関わる化学物質として紫外線吸収剤に着目した教材の開発,(7)接触グロー放電によるアミノ酸の生成と検出に関する実験を開発した.
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