2011 Fiscal Year Annual Research Report
理科教員養成のスタンダード・カリキュラムのモデル構築
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22300269
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
長谷川 正 東京学芸大学, 学内共同利用施設等, 副学長 (40134770)
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Keywords | 理科 / 教員養成 / カリキュラム / 教材開発 |
Research Abstract |
基礎的な理科教育力を有し,先端科学技術,自然環境など,現代社会が抱える問題を理解し,児童・生徒に伝える能力を持った教員を育成・養成する上で必要とされる大学での理科担当教員養成のためのスタンダード・カリキュラムを追究し,理科教員養成カリキュラムのモデルを構築するため,(1)小中学校で理科を教える教員に必要な大学でのカリキュラムのスタンダード・カリキュラムのモデルを試作し,(2)米国と欧米の理科の教員スタンダード・カリキュラムを調査・分析し,東京学芸大学のそれと比較し,(3)小学校で理科を教える教員に必要なminimum requirementに関するシンポジウムを開催し,(4)小中学校の学習指導要領に定められている項目から先端科学に触れる内容を指導するための実験・観察教材を開発した.スタンダード・カリキュラムは,指導する教員数,単位数制限から,東京学芸大学で非理科生を対象とする理論と実践の2コマ程度の授業開催が現実的でことがわかった.限られた時数内で,異なる理科の分野の内容を効率よく履修できるようにすることの工夫が必要で有ることが課題として上げられた.実験・観察の教材は,先ず,(1)自然科学の基礎・基本の知識・内容と実験・観察技法を具体的に抽出し,(2)学習指導要領の項目を指導するために不可欠な知識と能力を具体的に抽出し,(3)先端科学技術の内容を理解させるための教材の開発した.具体的には,(1)「ものの溶け方」を題材にした創造的思考を養うための実験学習プログラムの開発,(2)地球温暖化と関連する放射過程を実地での測定を通して理解するための教材の開発,(3)陸上生態系を食物網とエネルギー流により理解するための教材とコンピュータアプリの作成,(4)地球規模の水環境を理解するための教材モジュールと教授法の開発などである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理科教員養成のスタンダード・カリキュラムのモデル化は,指導する教員数,単位数制限など,現実的な問題との妥協である.内外のカリキュラムとの比較により,小学校で理科を教える教員に必要な大学でのスタンダード・カリキュラムのモデル化はほぼできあがった.また,現代の自然科学の話題にふれることのできる教材の開発も進んだ.
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Strategy for Future Research Activity |
研究は,当初の計画通り遂行する予定である.今年度は,中学校における理科教員養成のスタンダード・カリキュラムをモデル化する.これは,内外のカリキュラムとの比較,そのシンポジウムで内容を高められると確信する.モデル化したカリキュラムの実施,それから問題点の解決策についての検討が宿題として残る可能性が有る.小中学校の学習指導要領に定められている項目が指導できることを担保するための講義と実験・観察を行い,基礎・基本から先端科学に触れるまでの範囲をカバーする実験・観察課題の作成はできあがる予定である.
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