2011 Fiscal Year Annual Research Report
ノートテイキングの形成的評価による情報技術活用教育の授業改善に関する研究
Project/Area Number |
22300281
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中山 実 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (40221460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
六浦 光一 信州大学, 経済学部, 教授 (00106147)
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Keywords | オンライン学習 / ノートテイキング / 情報技術活用 / 学習者評価 / 授業改善 |
Research Abstract |
本研究では、定常的に行われているオンライン学習において、学生のノートテイキングの内容を分析し、学生が注意を向けて理解しようとした学習情報を明らかにすることである。これらを基に、授業方法、学習指導、教材作成などを改善し、学習成果への効果を確認するために、本年度は以下の検討を行った。 (1)ノートテイキングの内容評価:大学において定常的にICTを活用した授業であるブレンディッド学習における、学生のノート記述内容を分析した。また、教員が授業中に提示した内容も文書として抽出した。両者の記述された用語から、名刺と形容詞を抽出し、その用語の頻度を調べた。記述内容の特徴量として、教員が提示した内容を記録する割合である記録割合や、語彙のカバー率を算出した。また、教員と学生の記述内容の概念特徴の関係を調べた。これらの特徴量と、教員による学生のノート評価や、学生の学習者特性との関係を調べた。 (2)ノート記録スキル評価項目の開発:ノート記録に関するスキルについて、大学生がどのように認識しているかを調べるために、質問項目を開発した。対面授業のないフルオンライン学習で調査した結果、ノート機能の理解、ノートの利用方法、ノートの表現に関する3因子が抽出された。これらの因子得点と、ノート評価、テスト得点、学習者特性との関連を調べた。 (3)オンライン討論による効用の検討:米国の大学で学生にオンラインでのグループディスカッションを導入し運用していくために、教員に対してFaculty Learning Communitiesを導入し効果を検討した上で、Scholarship of Teaching and Learning (SoTL)型の研修効果を調査によって検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノート記述の評価については、これまでは全体的な評価に留まっていたが、対面学習でのブレンディッド学習において、学生個人個人の記録内容について、語彙レベルで分析を行った。このほか、対面授業のないフルオンライン学習でも、同様の分析を進めており、ノート記録内容についての分析はほぼ計画通りに進んでいる。 また、ノート記録の改善を行うための学生のノート記録の意識を明らかにするために、ノート記録のスキルに関する調査項目を作成し、その因子を明らかにした。 さらに、オンラインノートの活用による授業改善の方法についても、米国での実践事例の分析を行った。 これらのことから、研究計画にしたがってほぼ計画通りに進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ノート記録内容についてさらに分析するとともに、オンライン学習の2つの形態であるブレンディッド学習とフルオンライン学習における共通点と違いを明らかにする。その上で、学習活動の改善方法の提案と効果検証を行う。具体的には、ノート記録に関する指導を行うことで、学習活動の改善について調査を行う。 また、ICTを活用した主体的な学習を促進するための方策を検討するために、ソーシャルメディアを用いた授業やその評価方法を検討する。 これらによって、ノートテイキングを中心とする、学習での記録活動と学習との関係を明らかにし、学習活動の改善を推進できる方策を抽出する。
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Research Products
(9 results)