2011 Fiscal Year Annual Research Report
Low Level Interactionによる知的メンタリング機能の基盤開発
Project/Area Number |
22300294
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松居 辰則 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20247232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平嶋 宗 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10238355)
小西 達裕 静岡大学, 情報学部, 教授 (30234800)
小島 一晃 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (30437082)
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Keywords | Low Level Interaction / 知的学習支緩システム / メンタリング機能 / 知的メンタリング / 心的状態の推定 / 学習者モデル / 教授戦略 / メンタリング戦略 |
Research Abstract |
本研究の目的は,Low-Level Interaction(LLI)情報を用いた知的メンタリングシステム(Intelligent Mentoring System)実規のための技術的基盤を構築することにある.具体的には広義の学習支援システムにおいて学習者の理解状態,心理状態の両側面を推定する機能を実装し,適切な自動メンタリングを実現するために必要なモデルと技術基盤を開発する.本研究の中心的課題は,(1)LLI情報からの心理状態を推定するためのモデルの講築,(2)学習履歴とLLIとの融合方式の開発,(3)適切かつ適応的なメンタリング情報の生成手法の確立,の3点にある.また,本研究で開発するシステムにおいては「学習者は特別な器具を装着しない」ことを重要なコンセプトとしており,本研究の成果は「いつでも,どこでも,どのような環境でも実現可能」な高度な学習支援機能を具備したe-learningシステムの研究開発に大きく寄与するものと考えられる.これらを実現するために,平成22年度には(1)に関する研究を重点的に行った.これに続き平成23年度は(2)を重点的に行った.具体的には,(a)計算機に標準的に装備されている入力デバイス(マウス,キーボード,Webカメラ)と(b)各種センサー(EMR(視線運動記録装置),モーションキャプチャシステム、力覚デバイス)を用いた実験により取得可能なLLI情報の検討と心理状態の評価結果との比較・分析によりモデルの構築を試みた.特に,「学習者は特別な器具を装着しなし」という開発コンセプトを実現するために,(b)で得られるLLI情報を(a)で得られる情報で近似することを試みた.一般的な関係の構築までには至っていないが,視線情報,マウスの移動速度,顔の動き(前後)と学習者の感じる行き詰まり感や,解答時の確信度が予測できる可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は,(a)計算機に標準的に装備されている入力デバイスからの情報と,(b)各種センサーを用いた実験により取得可能なLLI情報の検討と心理状態の近似的な関係構築を試みた.当初予定では,これらの結果から学習者の心的状態の推定メカニズム(モデル)を実装し,モデルの妥当性の評価実験を行う予定であったが,各実験における実験環境や実験条件の整備に蒔間を要し,モデルの構築にとどまってしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目までに,知的メンタリング機能を実現するためのモデルを構築し,それをシステムとして実装する予定であった.しかしながら,各種センサーからの精度の高いデータを取得するための実験環境の構築が難しく実装までには至っていない.したがって,最終年度も引き続き,実験とモデル化の精緻化を行う必要がある.その結果,知的メンタリング機能を実現するための汎用性の高いソフトウェアとしての提供までには至らない可能性がある.しかしながら,最終的には知的メンタリングシステムとして実装し評価実験まで行い,モデル,実装,評価の各段階において汎用性の高い知見として整理する予定であるため,研究計画に大幅な変更は予定していない.
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Research Products
(17 results)