2011 Fiscal Year Annual Research Report
仮想解剖模型を活用した福祉系学生の能動型医学学習支援システムの開発
Project/Area Number |
22300295
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Research Institution | Chubu Gakuin University |
Principal Investigator |
寺嶋 正己 中部学院大学, 人間福祉学部, 教授 (20312184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木島 竜吾 岐阜大学, 工学部, 准教授 (80283282)
岡本 健 中部学院大学, 人間福祉学部, 教授 (60122842)
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Keywords | バーチャルリアリティ / 教育工学 / 医療・福祉 / ユーザインターフェース / メディア活用 / 自由曲面三次元表示 |
Research Abstract |
福祉専門職(介護福祉士、社会福祉士、等)において、医療職種との連携強化、多職種協働は必須であり、医学に関する知識は重要な共通基盤である。解剖実習を経験しない福祉系学生等の医学学習は、困難を伴う場合が多い。この困難を解消すべく、仮想解剖模型をベースとした学習環境の構築とその課題の抽出・評価、能動型学習支援システム及びその有効性評価技法について、トルソ版(胴体)と頭部モデル版(嚥下機構中心)に分けて研究開発を継続した。 人体胴体部モデル(トルソ)版では、内臓の3次元立体表示の高精度化を進めると共に、学習者とシステムとの高度インタラクション(相互作用)機能の拡充・評価を実施した。両手の自由使いの確保をねらいとした音声コマンドインタラクションは学習者に戸惑いを与えることが判明した。学習者の音声コマンドによる操作経験・体験不足の解消と活用を促すツールを開発した。医学講義テキストと仮想解剖模型(内臓器官モデル)とのリンク強化を図るべく、学習支援誘導システムを開発し、学習者の関心視線がどこにあるか評価・記録できるシステムを開発し、活用技術開発に進んだ。 福祉専門職にとって食事介助における嚥下機能の理解は、誤嚥防止の点からも大変重要で、頭部モデル版(嚥下機構中心)の頭部仮想解剖器官モデルとその3次元立体表示、アニメーションの技術開発を進め、技術課題の抽出と解決策を探求した。頭部モデルは曲率が大きく、1つのプロジェクタで得られる視野は十分とはいえない。そこで、複数のプロジェクタからの投影を三次元的に張り合わせ、視野を拡大する技術を開発した。二次元での張り合わせは、各プロジェクタが担当する領域を一度決めれば動かす必要はないが、三次元での張り合わせはこれを動的に決定する方法が必要である。 そこで担当空間を定義し、描画ポリゴンをその境界面で分割することで、課題解決の見通しを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学習者の能動性を高めるために導入した音声コマンドインタラクション機能の評価を改善する課題に対し、体験・経験の機会を増すためのツール活用により課題解決の見通しを得た。また、頭部モデル版(嚥下シミュレーションシステム)の開発において、トルソ版(胴体)に比し、自由曲面の曲率が大きいため、学習者からの視野の広さを確保する技術課題にも解決の見通しが得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
トルソ版(胴体)による能動学習支援誘導システムの活用技術開発とその有効性評価と並行して、頭部モデル版(嚥下機構中心)における視野確保(マルチプロジェクタ方式による三次元表示技術)と表示精度の改善(3次元臨場感の向上)を中心に技術開発を進め、能動型医学学習支援システムとして統合システム化を目指す。
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Research Products
(8 results)