2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22300323
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 靖史 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (50178779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 浩輝 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (80302222)
鈴木 康弘 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (60332277)
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Keywords | VASH1 / がん転移 / リンパ管新生 / 血管内侵入 / タイトジャンクション / VASH2 / microRNA |
Research Abstract |
血管内皮細胞に発現する内因性Vasohibin-1(VASH1)の癌転移(血行性転移、リンパ行性転移)における意義について、野生型マウスとVASH1(-/-)マウスにルイス肺癌(LLC)細胞を移植して比較検討した。マウスの足底部にLLC細胞を皮下移植し、一定サイズに発育した後、足を切断、その後一定期間を置いてマウスを犠牲死させ、肺とソケイリンパ節への癌転移の程度を比較検討した。足底部の腫瘍は、VASH1(-/-)マウスにおいて大きく発育し、以前の結果が再現された。癌転移については、VASH1(-/-)マウスにおいて肺転移と鼠径リンパ節転移の程度が顕著に増加していた。原発巣の腫瘍血管とリンパ管を比較すると、VASH1(-/-)マウスにおいてリンパ管は顕著に増加していた。また血管については、壁細胞による被覆の程度が有意に低下していた。 癌細胞が発現する内因性Vasohibin-2(VASH2)は、前年度の研究から、VASH1とは拮抗的に腫瘍血管新生を促進し、腫瘍発育を促進することが判明したので、VASH2のがん細胞における遺伝子発現調節について検討した。ヒト卵巣癌を用いた検討から、VASH2の癌細胞における発現は構成的であり、種々の刺激によっても発現誘導は認められなかった。そこでこのVASH2の構成的な発現上昇の機序について検討した結果、VASH2 mRNAの3'非翻訳領域にはmicroRNA mir-200の結合配列が存在しており、このmir-200によって発現は通常サイレンシングされているが、癌細胞においてはmir-200の発現が低下することによりVASH2の発現が増加することが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
VASH1が、血行性およびリンパ行性のいずれにおいても癌転移抑制的に機能していることが客観的に証明された。VASH2の癌細胞における発現調節機構が明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
VASH1が、血行性およびリンパ行性のいずれにおいても癌転移を抑制することを、癌細胞の種類を換えて再現性を確認するとともに、そのメカニズムについて、腫瘍血管・リンパ管の構造の面から検討する。 VASH2の発現をサイレンスするmir-200は、癌の上皮間葉転換にも関与している。予備的な研究から癌細胞におけるVASH2の発現をノックダウンすると上皮間葉転換が抑制されるデータが得られていることから、VASH2の上皮間葉転換に対する効果を検証し、パラクリン的な血管新生促進以外に癌細胞自身に対してオートクリン的に作動している可能性を検証する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Suppression of Choroidal Neovascularization by Vasohibin-1, Vascular Endothelium-derived Angiogenic Inhibitor2011
Author(s)
Wakusawa R, Abe T, Sato H, Sonoda H, Sato M, Mitsuda Y, Takakura T, Fukushima T, Onami H, Nagai N, Ishikawa Y, Nishida K, Sato Y
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Journal Title
Invest Ophthalmol Vis Sci
Volume: 52
Pages: 3272-3280
Peer Reviewed
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