2012 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素産生遺伝子NOX1による発がんの制御機構の研究
Project/Area Number |
22300328
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鎌田 徹 信州大学, 医学部, 教授 (40056304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 喜文 信州大学, 医学部, 准教授 (50201893)
古田 秀一 信州大学, 医学部, 助教 (80126705)
加藤 真良 信州大学, 医学部, 助教 (70402104)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Nox / 癌 / 活性酸素 / Wnt / Ras |
Research Abstract |
本研究の目的は活性酸素(ROS)産生酵素Nox1を含むNoxファミリー(Nox1~5)のレドックスシグナルによるヒト発癌の制御機構を解明し、癌の防御と治療に役立てようとするところにある。本研究では、前年に引き続きNox1を含むNoxファミリーの発癌・炎症過程における機能的役割について研究を展開し、以下の成果を得た。① NoxKOマウスを用いて、我々は潰瘍性大腸炎の回復期においてNox1が腸上皮組織の修復、炎症からの回復に必須的役割を果たすという新事実を見出した。Nox1に由来するROSがWntシグナルのような大腸幹細胞の増殖・分化のシグナルを媒介してこの過程に寄与すると考えられた(投稿準備中)。現在、このシグナル伝達機構を解析中である。② ヒト大腸癌検体組織を免疫組織化学(IHC)、生化学的に検討した結果、癌進行のステージ依存性に、Nox1とNox4が異なる発現形式をもち、異なった機能(各々、増殖と浸潤)に寄与するという新しい事実を見出した(投稿中)。③ 昨年、Nox4はTGF-βによる膵がん細胞のEMTの誘導を媒介することを培養細胞レベルで発見した。これを、患者検体でIHCにより確認したところ、TGF-β,EMT-マーカー(N-cadherin)、Nox4の発現の亢進が相関することを突き止めた。この結果は、上記のin vitroの観察がin vivoの過程でも成立する可能性を示唆した(投稿中)。④ Nox4は、悪性のglioblastomaの増殖、浸潤を媒介することを昨年報告した。今回はこのNox4レドックスシグナル伝達を検討し、Nox4-PTP1B-新規チロシンリン酸化タンパク(p52)の経路と機能を解明した(投稿準備中)。以上の成果を踏まえて今後、さらにNoxファミリーの発癌における機能の解析を進展させたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)