2012 Fiscal Year Annual Research Report
宿主対癌幹細胞反応に基づくProtumor/Antitumor免疫制御機構の解明
Project/Area Number |
22300331
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 孝司 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30143001)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 大功 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (30555404)
北村 秀光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (40360531)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 癌幹細胞 / IL-17 / 腫瘍内微小環境 / CD133 / TGF-b |
Research Abstract |
前年度までに我々が樹立した扁平上皮癌細胞株において、CD133+がん幹細胞がTGF-bを高産生し、担癌生体内においてTregを効果的に誘導することを明らかとしている。そこで、本年度はがん幹細胞の免疫逃避機構に関する詳細な検討を担癌マウスモデルを用いて実施した。まず、CD133+がん幹細胞のTreg誘導機序を検討するため、CD133+がん幹細胞の担癌マウスへ抗TGF-b抗体を投与し、Foxp3の発現を指標にTregの割合を評価した。CD133+がん幹細胞の担癌マウスでは、CD133-非がん幹細胞の担癌マウスに比較し、より多くのTregが誘導されたが、このTregの増加は抗TGF-b抗体によって著しく抑制された。また、抗TGF-b抗体の投与によって造腫瘍能の低下も認められた。そこで、CD133+がん幹細胞がTGF-bを介したTregの誘導によって抗腫瘍免疫から逃避している可能性を検証するため、Tregを特異的に除去する抗FR4抗体をCD133+がん幹細胞の担癌マウスへ投与した。その結果、Tregの除去によってCD133+がん幹細胞の造腫瘍能が低下し、この効果は抗CD8抗体によるCTLの除去によって阻害された。すなわち、CD133+がん幹細胞はTGF-bの産生を介してTregを誘導し、抗腫瘍CTLの誘導、機能を抑制することで高い造腫瘍能を示すことを明らかとした。 また、生体内におけるがん幹細胞の維持、増殖に関わる炎症応答について、WTマウスとIL-17KOマウスにおける炎症性サイトカイン発現を比較した結果、WTマウスに比べてIL-17KOマウスにおいて、IL-1bやIL-6などの炎症性サイトカインの発現が有意に減少することを明らかとした。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|