2013 Fiscal Year Annual Research Report
ポリADP-リボシル化を分子標的とするがん治療薬の研究
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22300343
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
益谷 美都子 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (60238904)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | PARP / PARG / 放射線 / アルキル化剤 / 合成致死 |
Research Abstract |
乳がん等の治療で使用され始めたPARP阻害剤の効果を規定する因子を文献情報を収集し、また、synthetic lethality法などの手法から同定し検証した。ヒトHeLa細胞においてPARP阻害剤AZD2281及びABT-888について細胞毒性を検討し、相同組み換え修復系に関わるCtIP、非相同末端結合修復系に関わる53BP1及びRIF1のsiRNA による合成致死性を調べた。合成致死性はコロニー形成法を用いて検討した。CtIP siRNAは2種のPARP阻害剤に対して合成致死性を示したが、53BP1及びRIF1 のsiRNAは合成致死性を示さなかった。CtIPとPARP阻害剤の合成致死性はAZD2281の方が、顕著であった。以上のように、PARP阻害剤は非相同末端結合修復経路因子に対して合成致死性を示さなかった。相同組換え修復に関わるCtIPとの合成致死性にはPARP阻害剤によるPARP-1のDNA切断端への固定能が関与することが考えられる。また、レンチウイルスshRNAライブラリーを用いてPARP阻害剤AZD2281及びABT-888と合成致死を誘導する遺伝子の機能阻害についても検討を進めた。機能分類をしたところ、クロマチン制御因子、分化、細胞増殖などに関連する因子が標的候補となることが示唆された。PARP阻害剤AZD2281のクロマチン制御への作用機序を検討した。また、PARGを分子標的とする新規抗がん剤増強剤及び抗がん剤としての検討のため、PARG機能阻害による細胞死の誘導機序を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乳がん等の治療で使用され始めたPARP阻害剤の効果を規定する因子をsynthetic lethality法などの手法から同定し検証を進めることができた。PARGについても分子機能を明らかにしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
PARP、PARG機能阻害との合成致死を規定する因子の候補について変異や失活の頻度を調べ、臨床的意義を考える。
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Research Products
(5 results)