2011 Fiscal Year Annual Research Report
南極ヘイズ:その出現状況と鉛直分布、低中緯度からの物質輸送
Project/Area Number |
22310013
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
原 圭一郎 福岡大学, 理学部, 助教 (10390593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩原 匡貴 国立極地研究所, 気水圏, 准教授 (60291887)
林 政彦 福岡大学, 理学部, 教授 (50228590)
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Keywords | エアロゾル / 南極ヘイズ / バイオマス燃焼 / 南極 / 物質循環 / 長距離輸送 |
Research Abstract |
研究成果及び解析の経過は以下のとおりである。 (1)1997-2007年(38次-47次南極地域観測隊)の南極ヘイズ発生時のガス濃度変化 昨年度、解析された過去のヘイズ現象時の温室効果気体(CO_2,CH_4,CO)とO_3濃度の変化を比較した。温室効果気体はヘイズ現象時に増加する事例と増加の確認されない事例があった。この違いについては今後さらに細かい解析を必要とする。O_3濃度については、ヘイズ現象時に現象する傾向がみられ、特に、極夜明けに濃度差が顕著になっていた。地上オゾン消失現象とヘイズ現象の関連が強く示唆された。 (2)2008年-2011年(48次-51次南極地域観測隊)の南極ヘイズ発生状況の解析 地上エアロゾル観測データの解析を継続して実施し、ヘイズ現象の解析を継続した。 (2)南極昭和基地での黒色炭素濃度観測の継続 52次南極地域観測隊で再開させた黒色炭素濃度連続観測を昭和基地で継続している。 (3)ヘイズの鉛直構造観測と上空での南極ヘイズ発生状況の解析 測器不具合のため、第51次隊で持ち帰った気球搭載型エアロゾルゾンデを再調整し、今年度購入したエアロゾルゾンデと併せて、第53次南極地域観測隊により南極昭和基地へ持ち込んだ。冬~春季のヘイズ現象時に観測を行えるよう測器調整を行い、現在は観測待機中である。 上空でのヘイズ層出現状況とその頻度を検証するために、昭和基地で連続観測が行われているMPL(マイクロパルスライダー)の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に購入したエアロゾルゾンデのトラブルにより、ヘイズ現象時のエアロゾル鉛直分布観測が行えていない。不具合の原因ははっきりし、改修を済ませて昭和基地に持ち込んでいるため、研究期間内には、当初の予定通りに観測データが得られると考えられる。エアロゾルゾンデデータの得られなかった年については、マイクロパルスライダーの観測結果により、必要となる基本データの補完は可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
昭和基地でのエアロゾル連続観測の継続と最新のエアロゾルデータの解析を継続する。また、すでに初期解析・ヘイズ現象の抽出をした年については、エアロゾルとガスデータの相互比較を継続するだけではなく、モデル・トラジェクトリーとの比較により、輸送経路の考察を行う。さらにエアロゾルゾンデとマイクロパルスライダーの観測結果の解析を進め、上空のエアロゾル層(ヘイズ層)の高度別出現頻度を経年変化としてまとめていく予定である。
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Research Products
(4 results)