2010 Fiscal Year Annual Research Report
太平洋赤道域における海洋CO_2の長期変動メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
22310017
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
石井 雅男 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 室長 (70354553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 大輔 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 研究官 (10462524)
小杉 如央 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 研究官 (20553168)
鈴木 亨 (財)日本水路協会(海洋情報研究センター), 部長 (10360736)
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Keywords | 全アルカリ度 / 太平洋赤道域 / 海洋物質循環 / 海洋酸性化 |
Research Abstract |
1 海水中の全アルカリ度の高精度分析の品質管理手法を向上させ、海洋CO_2の蓄積動向とそれに伴う海洋酸性化の動向をより正確に評価するため、分析に使用する0.5N塩酸の濃度を1/2000以下の繰り返し精度で検定する電量滴定装置を設計し、製作した。 2 赤道域や太平洋広域における海洋内CO_2の増加傾向を評価し、大気CO_2増加に対する海洋の役割を理解するため、主に1990年代以後に太平洋で取得された海洋内部の炭酸系や酸素濃度などの海洋化学観測データを含むデータセットおよそ300航海分を収集した。書式をWHP Exchange Formatに統一した後、異常値などを慎重に除去した(一次品質管理)。6月と10月に、東京と米国オレゴン州ポートランドで、データの系統誤差補正に関するワークショップを開催し、国内外の研究者やデータセンターの担当者と、品質管理の諸問題と補正方法やについて議論し、個々の観測航海・観測パラメーターを対象に系統誤差の検討を開始した(二次品質管理)。 3 プリンストン大学のK.Rodgers博士による海洋物質循環モデルの数値実験の結果から、赤道表層における海洋CO_2の10年スケールの増加速度の変動が、赤道域における風速場の変化によって発生する可能性のあることが分かった。数値シミュレーション結果の妥当性を検討し、同時にIPCC AR5に向けた国際的なRegional Carbon Cycle Assessment and Processesの活動に貢献するため、同博士と協力して、赤道域の東西や南北太平洋の広域における大気・海洋間CO_2フラックスの大きさや年々変化について、海洋CO_2観測に基づく診断モデル、海洋物質循環モデル、海洋CO_2インバージョン、大気CO_2インバージョンなど手法のさまざまなモデリング結果の比較・検討を開始した。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Assessing the internal consistency of the CARINA data base in the Pacific2010
Author(s)
Sabine, C.L., M.Hoppema, R.M.Key, B.Tilbrook, S.van Heuven, C.Lo Monaco, N.Metzl, M.Ishii, A.Murata, S.Musielewicz
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Journal Title
Earth System Science Data
Volume: 2
Pages: 195-204
Peer Reviewed
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