2010 Fiscal Year Annual Research Report
アミにおける生殖・発生異常とその発生メカニズムを活用した環境水評価手法の開発
Project/Area Number |
22310023
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
古賀 実 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (40131916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有薗 幸司 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (70128148)
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Keywords | 環境技術 / 有害化学物質 / 生態学 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
アミに対するNonylphenol異性体5種の急性毒性を比較した結果、NP-O:144μg/l、NP-I:91μg/l、NP-C':131μg/l、NP-N:72μg/l、NP-Q:89μg/lと異なった値が得られた。毒性学的感受性は、アミの方がヒメダカと比較して2~4倍強く、毒性影響を及ぼす異性体の順位にも違いが確認された。これらのことから、種差における各異性体の生態影響に違いが認められた。 また、成長成熟試験により、NP-Q、NP-N、NP混合物は、アミの成長・成熟(脱皮、体長、頭胸甲長、湿重量、性成熟)の遅延を引き起こすことが明らかになった。さらに、NP-Q 0.5μg/lにおいては、アミの体型バランスへ影響を及ぼした可能性が示唆された。また、急性毒性では、NP-Nの毒性が最も強かったものの、成長成熟では各エンドポイントで作用する濃度も、各物質での作用点も異なることが確認された。本研究の成長成熟試験の最小作用濃度の結果は、環境中で検出される濃度と同程度もしくはそれ以下であったことから、アミの生態系へ影響を及ぼす可能性が十分にあることが示唆された。 アミのDNAマイクロアレイ作製においては、24,556リードの遺伝子を搭載したDNAマイクロアレイを作製し、DNAマイクロアレイの実証試験として脱皮ホルモン様物質:20E(20-hydroxyecdysone)を500μg/lの濃度で8時間および24時間曝露し、発現変動する遺伝子を確認した。
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