2012 Fiscal Year Annual Research Report
アミにおける生殖・発生異常とその発生メカニズムを活用した環境水評価手法の開発
Project/Area Number |
22310023
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
古賀 実 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (40131916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有薗 幸司 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (70128148)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 環境技術 / 有害化学物質 / 生態学 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本研究では、NP異性体混合物およびNP異性体5種のアミへの急性毒性と成長・成熟への検討を実施してきた。その結果、これらの化学物質はいずれもアミの成長・成熟への影響を及ぼすことを明らかにした。続いて、アミの生殖試験を実施し、NPがアミの生殖におよぼす影響について検討を行った。その結果、アミの生殖試験では、成長・成熟への影響に加え、総産仔数が有意に減少していることが確認され、NPはアミの生殖機能に影響を及ぼすことが示唆された。また本研究で作成したDNAマイクロアレイを用いてNP異性体混合物を曝露したアミの遺伝子発現解析を実施した結果、1 μg/L曝露で32遺伝子、3 μg/L曝露で27遺伝子、10 μg/L曝露で43遺伝子、30 μg/L曝露で72遺伝子の発現変動遺伝子を検出することが出来た。これら遺伝子はアミの脱皮や生殖に関与する可能性が示唆された。 本研究で実施した、アミの成長・成熟および生殖を指標とした試験法は高感受性であり、海域における評価手法としては非常に有用であると考えられた。更にアミのDNAマイクロアレイを作製できたことで更に詳細な影響評価(産仔数に影響をおよぼす遺伝子群の把握など)にも応用可能であると考えられる。本研究においてNPをモデル化学物質として実施したアミを用いた成長・成熟試験および生殖試験に遺伝子発現解析を加えた総合的な評価法は、海域での影響だけでなく、その原因も追究可能な方法であり、大変有用である可能性が示唆された。今後は実環境水を用いた評価を実施し応用し、更に有効な手法として活用できるように研究を進めていくことが必要である。また今回得られた結果や今後得られた結果は、精力的に公表し国内外に広めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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