2012 Fiscal Year Annual Research Report
光干渉法による極短時間植物ナノ動態計測に基づく光化学オキシダントの作物影響評価法
Project/Area Number |
22310026
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
門野 博史 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (70204518)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 誠 埼玉県環境科学国際センター, 自然環境担当, 研究員 (30375589)
米倉 哲志 埼玉県環境科学国際センター, 自然環境担当, 研究員 (40425658)
|
Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
|
Keywords | 光干渉法 / 極短時間植物成長 / 光化学オキシダント / オゾンストレス / レーザスペックル / 植物生長ゆらぎ / 光合成速度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、提案する統計干渉法を用いて秒オーダーの極短時間における植物の葉などの成長挙動を精密に計測できるシステムを用いて,新しい植物の環境ストレスモニタリング技術を確立することである。環境汚染物質としてオゾンに焦点を絞り,作物に対するオゾンストレスを早期にかつ定量的に評価するための研究をおこなった。植物の極短時間成長動態においてナノメータスケールの自発的成長揺らぎ(NIF)を発見し、この現象の環境ストレスおよび長期的生育状態予測の指標としての有効性の検証実験をおこなった。作物植物としてハツカダイコン、ダイズ、2品種のイネに注目した。 1. 長期間の暴露による慢性的オゾンストレス ハツカダイコン、ダイズに対して0ppb, 通常大気, オゾン濃度1.5倍のオゾン大気を1ヶ月間の長期間の暴露実験をおこなった。NIFの応答を従来法である光合成速度による結果と比較した結果、従来法と高い相関があり、かつ、より高感度であることを確認した。 2. 短時間の暴露による急性オゾンストレス 120,240ppbのオゾン濃度で3時間の暴露実験をコシヒカリとフサオトメを対象として3日間繰り返した。NIFの標準偏差は、両品種ともオゾン濃度に対応して明らかな低下を示した。また、オゾン抵抗性の強いフサオトメではその低下はコシヒカリに比べてほぼ半分であった。また低濃度の暴露では、24時間後に回復傾向も確認することができた。以上のことから本研究でオゾンストレスの指標として注目しているNIFに基づいて品種間の耐性の差および濃度に依存した変化を確認することができた。このような短時間でのオゾン暴露に対して従来法であるクロロフィル蛍光法および光合成速度、気孔伝導度などでは変化を検出できなかった。本手法は従来法に比べて感度が高いことから短時間(1時間程度)の測定によりストレス評価が可能であり実用上意義がある。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|