2012 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質のマルチ翻訳後修飾による損傷乗り越えDNA複製の制御
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22310034
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
益谷 央豪 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40241252)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | DNA損傷 / DNA複製 / DNA修復 / タンパク質翻訳後修飾 / タンパク質間相互作用 |
Research Abstract |
PCNAのマルチユビキチン化の分子機構と生理的意義の解析を行った。損傷乗り越え複製ポリメラーゼはPCNAのモノユビキチン化により制御され、また、テンプレートスイッチと呼ばれる機構はPCNAのポリユビキチン化により制御されると考えられている。モノユビキチン化はRAD6-RAD18により担われ、ポリユビキチン化はRAD6-RAD18に加えてMMS2-UBC13とHLTFが関与する。その分子機構について解析を行った結果、HLTFはE2上にポリユビキチン鎖を形成する酵素であり、モノのみならずポリユビキチン化についても、PCNAをユビキチン化するE3はRAD18であることを明らかにした。この成果により、損傷乗り越え複製とテンプレート・スイッチが、従来想定されていた上流と下流の関係ではなく、独立に制御されうるものであることが示された。一方で、164番目のリジンをアルギニンに置換したPCNA[K164R]変異体を安定に発現した細胞株のDNA損傷後の複製について解析を進めた。この細胞株では、紫外線照射後のPCNAのモノユビキチン化は起こり、Polhのフォーカス形成も認められ、Polhによる損傷乗り越え複製は行われていると考えられる。ところが、この細胞株では、紫外線照射後のS機の進行の遅延が認められた。以上の結果より、PCNAのマルチユビキチン化により活性化される未知の損傷DNAを複製するメカニズムを解析する基盤を構築できたと考える。さらに、PolhのC末欠失体を発現させた細胞の紫外線感受性を検出した。PCNA及びPolhの翻訳後修飾の生理的意義と分子機構の解明に貢献できたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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