2012 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物におけるダイオキシン類の代謝排泄メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
22310042
|
Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中西 剛 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (50303988)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永瀬 久光 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40141395)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | ダイオキシン / 尿中排泄 / 代謝 |
Research Abstract |
本研究では、ダイオキシン類の中でも最も毒性が強く難分解性の2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p- dioxin (TCDD)の肝臓蓄積量を減少させ、尿中への排泄を促進する甲状腺ホルモン(T3)等をキー化合物とし、マウスにおけるダイオキシン類の代謝排泄メカニズムの解明を行うことを最終目標としている。昨年度までにTCDDは代謝されずそのまま尿中に排泄され、またその排泄促進には甲状腺ホルモン受容体(TR)βが関与している可能性が示されたため、今年度はその排泄に関わる分子の探索を試みた。その結果、野生型雄性マウスにT3を投与すると肝臓中のCYP1A2の発現が低下することが明らかとなった。またTRα欠損雄性マウスではT3投与によりCYP1A2の発現低下が見られたが、TRβ欠損雄性マウスでは見られなかった。さらに雄性の野生型、TRα欠損およびTRβ欠損マウスから得られた初代培養肝細胞に、TCDDおよびT3を添加してCYP1A2のmRNA発現を検討したところ、マウスにT3を投与した際と同様に野生型細胞とTRα欠損細胞ではCYP1A2の発現が低下していたが、TRβ欠損細胞では発現が変動しなかった。CYP1A2はTCDDの結合蛋白質であり、TCDDの肝臓蓄積に関わる分子として知られていることから、T3投与時に起こるTCDDの肝臓からの消失にはTRβを介したCYP1A2の発現低下が関わると考えられた。しかしT3によりTCDDの尿中排泄が認められなかった野生型雌性マウスでも野生型雄性マウスと同様に肝臓中のCYP1A2の発現が低下認められたことから、TCDDの尿中排泄促進作用には肝臓から消失したTCDDを積極的に尿中に排泄する別の機構が存在すると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|