2011 Fiscal Year Annual Research Report
微生物におけるC1化合物代謝制御の分子基盤に立脚した環境技術開発
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22310046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00283648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪井 康能 京都大学, 農学研究科, 教授 (60202082)
奥 公秀 京都大学, 農学研究科, 助教 (10511230)
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Keywords | メタン / メタノール / ホルムアルデヒド / C1微生物 / メタン資化性細菌 / メタノール資化性酵母 / メタノール資化性細菌 / 代謝制御 |
Research Abstract |
1.HCHO代謝機能強化による高機能メタン資化性細菌の創出と利用 メタン資化性細菌Methylovulum miyakonenseが、Rhyzobiaに属する根粒菌との共培養により、メタン酸化活性が向上することを見出した。一方、ホルムアルデヒド資化経路の一つであるリブロースモノリン酸経路の鍵酵素(Hps,Phi)遺伝子について、メタン資化性細菌Methylococcus capsulatus Bath株由来のHps-Phi融合酵素を、セリン経路を保持するMethylosinus属細菌に導入した株を作成した。メタン培養したHps-Phi発現株では、相当する酵素活性を確認できたが、生育やメタン消費に対する効果は認められなかった。 2.HCHO代謝機能強化によるメタノール資化性菌有用物質生産系の高効率化 メタノール資化性酵母において、炭素源による発現制御やストレス応答に関与する核外輸送体Msn5pが、ホルムアルデヒド耐性機構には関与するが、過酸化水素耐性機構には関与しないことを明らかにした。またメタノールおよびホルムアルデヒドに応答する遺伝子発現に関わる複数の転写因子について、個々の転写因子の機能解析とともに、転写因子間の相互作用・相互依存性に関する解析を行った。一方、メタノール資化性細菌Methylobacterium extorquensにHps-Phi人工融合酵素を発現させた株について、プロモーターの最適化を行い、高発現プロモーターよりも中程度に発現するプロモーターで、メタノール培養時の菌体収量が増加することを明らかにした。 3.C1化合物検出セルセンサーの開発 既に開発していたメタノールセンサーを利用し、植物表層のメタノール濃度が日周変動することを発見した。またメチルアミンセンサー酵母の開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Hps-Phi発現株の構築やその解析、酵母転写因子の機能解析については、当初の計画通り進展できた。HCHOセンサーについては、植物表層でHCHO動態を追跡できる感度が得られなかったため、酵母によるメタノールセンサーとメチルアミンセンサーの開発と利用を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
メタン資化性細菌およびメタノール資化性細菌のHps-Phi発現株については、今後、Hps-Phiの基質やエネルギー源を補う化合物の添加やその他の培養条件を検討する必要がある。Hps-Phiの植物への導入については、前年度までに十分な効果が確認できたので、次年度はこれ以外の項目に重点を置いた研究を行う。
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Research Products
(9 results)