2012 Fiscal Year Annual Research Report
自然の機能を利用した循環型抗菌水質保持・環境浄化システムの開発
Project/Area Number |
22310056
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
細矢 憲 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (00209248)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 抗菌 / 光分解 / 水質浄化 / 高分子多孔体 / 自然の機能 / エポキシ樹脂 / 吸着 / 分子認識 |
Research Abstract |
本研究は,4つの小目的より構成される。すなわち,1.自発吸水が可能な共連続構造を有する高分子多孔質媒体を自在に棒状,板状で作製する。2.高分子表面にカチオン性基および剛直な部位を配置し,固体表面抗菌性を発現させる。3.多孔性高分子に環境汚染物質(溶液,ガス状)を吸着可能な認識部位を構築する。4.光触媒をハイブリッド化し,補足物質の光分解による媒体自浄作用を付与する。これらの小目的の複合的達成により,水を自発的に吸い上げることにより,抗菌,有害物質捕捉能を効率的に発現し,これら捕捉物質を光分解により自浄する。すなわち,自然エネルギーを利用した循環型抗菌水質保持・環境浄化システムを構築することを本研究の目的としている。 本年度は,平成22,23年度の成果に基づき,重合で得られる3級アミンをそのまま,あるいは4級化することによる抗菌機能への影響についてさらに詳細に検討し,抗菌機能のメカニズムの解明と抗菌機能最適化を図った。その結果,ハロゲン化アルキルによる4級化においては,4級化部位の疎水性が高くなるにつれて抗菌活性が向上することが明らかとなった。一方,塩酸での4級化では,素早いイオン交換により,媒体のpHが低下することが速い抗菌性の発現に寄与していることを明らかにした。菌選択性の発現に関しては,現段階では明確な結果を得ることが出来ていないが,評価に用いた大腸菌に関しては,素早い抗菌性と,継続的な抗菌性という二重の抗菌機能を併せ持つ高分子多孔体の開発と,その最適化を行うことができた。 光触媒に関する検討では,モデル実験を実施し,懸案の一つであった有機媒体中に光触媒を固定化しても,いわゆるチョーキングによる担体自己分解に基づく触媒能の失活が予想以上に低減されることが明らかとなり,実用的に問題の無い方法であることが確認できた。今後,実際の抗菌材料との組み合わせについての検討が課題である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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