2010 Fiscal Year Annual Research Report
液中レーザーアブレーションによる生理活性物質ナノ粒子分散液の作製
Project/Area Number |
22310067
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
朝日 剛 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (20243165)
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Keywords | ナノ粒子 / コロイド / 生理活性物質 / フラボノイド / レーザーアブレーション |
Research Abstract |
天然物由来の2種類のフラボンと2種類のイソフラボンについてナノ粒子作製を検討した。容器に入れた原料粉末の水懸濁液に高強度紫外ナノ秒パルスレーザーを照射することによって、分散安定性の高いナノ粒子コロイドの作製に成功した。大豆由来のイソフラボンについて作製条件とナノ粒子の生成量、粒子サイズを詳細に検討した結果、原料微粉末を90%以上の効率でナノ粒子化できること、さらにナノ粒子の平均サイズが50nmから100nmの範囲で異なるコロイドを作製できることが分かった。いずれの化合物についても、分散剤等を必要とすることなくナノ粒子は安定に水中に分散すること、さらにレーザー励起による分子の光分解は顕著に起こらないことを確認した。これらの結果より、本研究で提案する手法が難水溶性生理活性物質のナノ粒子水分散液作製に有効であることが示された。また、作製したルテオリン(フラボン)ナノ粒子水分散液を微生物培地に添加し、細胞増殖の様子を一定期間観察することによって、抗微生物活性を検討した結果、以前に動物細胞において観測された顕著なナノ粒子効果が、微生物においては確認できなかった。このことは、動物細胞でのナノ粒子効果の機構を解明する上で重要な知見である。一方、液中レーザーアブレーション法によるナノ粒子作製において分子の光分解が起こることが大きな課題である。これを軽減しかつ効率よくナノ粒子を作製するための新しい手法として、紫外・可視2波長パルスレーザーアブレーション装置を構築し、蛍光色素化合物のナノ粒子化を行うことによって、構築した装置の基本特性を評価した。
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Research Products
(16 results)