2011 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖らせん構造を基本骨格とする動的ナノスプリングの創製と伸縮運動の制御
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22310069
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
沼田 宗典 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (70423564)
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Keywords | 超分子化学 / 自己組織化 / ナノマシン / らせん高分子 / 多糖 |
Research Abstract |
天然糖鎖のらせん構造をナノサイズ直径の精密なスプリングとして捉え、糖鎖表面で起こる分子の自己集積/解離過程を糖鎖らせん構造の変化と連動させることで、伸縮運動を繰り返す半人工ナノスプリングの創出を目的として研究を行った。まず、ナノスケールでの分子運動をマイクロスケール鎖長の糖鎖表面で連動させることにより増幅し、マクロな運動へと変換する必要がある。ピリジンのクロロフィル中心亜鉛への配位がスタッキングの抑制に有効であるというこれまでの知見を基に、今年度も昨年度に引き続き、異なるスペーサー長を持つ様々なビピリジン誘導体を添加してクロロフィルのスタッキングを抑制すると同時に、分子構造に起因したらせん構造のチューニングについて検討を行った。カードランらせん構造の伸縮運動の評価は各種スペクトル測定に加え、AFMにより直接判断を実施した。その結果、昨年度検討した配位子に加え、さらに分子長の長い配位子を用いた場合においても、クロロフィル由来のスペクトルが変化し、配位子のクロロフィルへの配位が確認された。さらに、カードラン主鎖のコンフォメーションがさらに剛直に伸長していることがAMFによる観察により確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
配位子の鎖長(分子情報)に基づいたナノスプリングの伸縮挙動が確認されており、概ね順調に進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は昨年度までの成果を踏まえ、配位子により伸長したスプリングから配位子を除去することにより、元の状態に戻すことが可能かどうかについて検討を実施していきたい。これら全ての成果を合わせて、本系で開発したナノスプリングの伸縮運動が達成できると期待される。
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