2012 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖らせん構造を基本骨格とする動的ナノスプリングの創製と伸縮運動の制御
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22310069
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
沼田 宗典 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (70423564)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 超分子化学 |
Research Abstract |
天然糖鎖のらせん構造をナノサイズ直径の精密なスプリングとして捉え、糖鎖表面で起こる分子の自己集積/解離過程を糖鎖らせん構造の変化と連動させることで、伸縮運動を繰り返す半人工ナノスプリングの創出を目的として研究を行った。異なるスペーサー長を持つ様々なビピリジン誘導体を添加してクロロフィルのスタッキングを抑制すると同時に、分子構造に起因したらせん構造のチューニングについて検討を行ってきた。カードランらせん構造の伸縮運動の評価は各種スペクトル測定に加え、AFMにより直接判断を実施した。その結果、カードランのらせんピッチに適合した分子長を持つ配位子を用いた場合において、クロロフィル由来のスペクトルが変化し、配位子のクロロフィルへの配位が確認された。さらに、配位子の配位により、カードラン主鎖のコンフォメーションが剛直に伸長していることがAMFによる観察により直接確認されている。 最終年度ではこれまでの成果を踏まえ、伸長したスプリングから配位子を除去することにより、元の状態に戻すことが可能かどうかについて検討を実施してきた。配位子のピリジル部位へのプロトン化を行うと、配位子からの誘起CDの消失およびクロロフィルの単色化が確認され、スプリングが収縮していることが強く示唆された。実際にAFM観察の結果、グロビュールに凝集したカードランが確認された。 以上の結果より、当初期待した通り、天然多糖のらせん構造が、らせん表面での厳密な分子認識過程を経て、ナノメートルのスプリングとして機能することが示された。さらに、らせん内部に様々な機能性色素分子の取り込みが可能であることも明らかとなりつつある。らせん構造の伸縮に伴い、取り込まれた色素分子の吸収波長が変化することも確認されており、動的な機能性マテリアルとして応用展開するための基盤を築くことができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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