2011 Fiscal Year Annual Research Report
高密度、高配向、長尺カーボンナノチューブファイバーの開発とその特質を活かした応用
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22310074
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
唐 捷 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, グループリーダー (80354158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 泰造 独立行政法人物質・材料研究機構, 理論計算科学ユニット, グループリーダー (60343852)
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Keywords | カーボンナノチューブ / グラフェン / 複合材料 / エレクトロニクス材料 / キャパシター材料 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブは電気化学活性な表面積が大きく、優れた伝導性・力学性とあわせてナノスケール電極材料としての期待が大きく、エネルギー貯蔵に用いられるスーパーキャパシタデバイスの電極材料として魅力的である。カーボンナノチューブとグラフェンの三次元集積化構造とその表面特性を利用する電極材料を創製し、CNT特性をこれらデバイス・材料に発現させることを目的とする。 今年度の実績として、カーボンナノチューブ・グラフェン・ナノMnO2の3次元構造による電極材料の高エネルギー密度化に成功した。電極ベース材料として、カーボンナノチューブを用い、グラフェン、ナノ構造化MnO2を複合化し、エネルギー密度を最大にする電極材料を創り出した。グラフェンは、カーボン原子が六角状に連結したシートで、比表面積、熱・電気伝導度、電荷キャリア移動度も大きく、有望な電極材料であり、ナノ構造化MnO2は比表面積が大きいナノファイバー集積体であるので、表面での酸化還元反応により、エネルギー密度を増大させたことができた。また、ナノコンポジット3次元電極構造の開発に成功した。グラフェンシートを積層化し、シート間をカーボンナノチューブでネットワーク状に連結させ、電極ベースとした。さらに、ナノ構造化MnO2を電着させた。このようなナノ電極構造の創製により、高エネルギー密度のナノスーパーキャパシターを開発した。そして、生物用軽量・高強度・導電性カーボンナノチューブ・ポリマー複合材料の作製も進め、作製されたファイバーの特性評価を行った、優れた物理化学特性が得られた。また、新規にグラフェン・二酸化マンガン複合電極の作製に成功した。この電極は人体の不可欠Uric Acidの計測に敏感であり、選択性も優れていたことが確認した。そのメカニズムも解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
カーボンナノチューブ・グラフェン・ナノMnO2の三次元集積化構造とその表面特性を利用するによる電極材料の高エネルギー密度化に成功し、優れた物理化学特性が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、カーボンナノチューブ・グラフェン・ナノ活性物質の三次元集積化構造を検討し、大容量化電極材料の創製を目指す。また、ナノセンサーの作製・評価も進める。
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