2013 Fiscal Year Annual Research Report
高密度、高配向、長尺カーボンナノチューブファイバーの開発とその特質を活かした応用
Project/Area Number |
22310074
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
唐 捷 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (80354158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 泰造 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (60343852)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノ機能材料 / カーボンナノチューブ / グラフェン / 複合材料 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブは電気化学活性な表面積が大きく、優れた伝導性・力学性とあわせてナノスケール電極材料としての期待が大きく、エネルギー貯蔵に用いられるスーパーキャパシタデバイスの電極材料として魅力的である。カーボンナノチューブとグラフェンの三次元集積化構造とその表面特性を利用する電極材料を創製し、CNT特性をこれらデバイス・材料に発現させることを目的とする。 今年度の実績として、カーボンナノチューブ/グラフェン複合材料について、三次元ナノ構造を設計し、キャパシター電極材料に適する形態・表面構造の作製に検討した。グラフェンの高精度剥離は、グラファイトを強酸で酸化させ、層間を膨潤させ、酸化グラフェンとして、単層化する。この酸化グラフェンを還元してグラフェンとするが、この際、グラフェン表面のカルボニル基以外の修飾基を残存させること、及びグラフェン同士が再付着させないことが最重要で、そのための新たな技術として、同時プロセス法を開発した。グラフェンとカーボンナノチューブの新たな共沈法により、カーボンナノチューブをスペーサとして、高密度にグラフェン積層に挿入し、3次元的にネットワーク化したカーボンナノチューブ/グラフェン複合薄膜シートの作製に成功し、電気化学特性の電気容量が大幅に向上させ、高エネルギー密度のナノスーパーキャパシターを開発し、エネルギー密度193Wh/Kgの値が得られた。 グラフェン複合材料のセンサーへの応用も試みた。具体的に、グラフェンとナノカーボンとの複合化によって、尿酸、ドーパミン、グルコースの選択的センシングにおいて、高い感度と安定性を示すだけでなく、安価に製造することが可能であり、新規高性能バイオセンサーの開発を進めている。この電極は人体の不可欠Uric Acidの計測に敏感であり、選択性も優れていたことが確認した。そのメカニズムも解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
グラフェンとカーボンナノチューブの新たな共沈法により、カーボンナノチューブをスペーサとして、高密度にグラフェン積層に挿入し、3次元的にネットワーク化したカーボンナノチューブ/グラフェン複合薄膜シートの作製に成功し、電気化学特性の電気容量が大幅に向上させ、優れた物理化学特性が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、カーボンナノチューブ・グラフェン・ナノ活性物質の三次元集積化構造を検討し、p大容量化電極材料の創製を目指す。また、ナノセンサーの作製・評価も進める。
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