2012 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレントX線回折を用いたクライオバイオイメージング
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22310075
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西野 吉則 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (40392063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前島 一博 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 教授 (00392118)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | コヒーレントX線 / 染色体 / X線回折顕微法 / ナノ構造解析 / 位相コントラストイメージング / オルガネラ / 高次構造 / 位相回復 |
Research Abstract |
本研究では、コヒーレントX線回折顕微法によるクライオバイオイメージングに向けた研究開発を行う。これにより、ヒトゲノムDNAの折り畳み構造の理解に貢献することを目的とする。本年度は、細胞核の高次構造研究やデータ解析アルゴリズムの開発などを行った。昨年度までは分裂期染色体に焦点を当てたが、今年度は間期のHeLa細胞の単離核に対するX線小角散乱(SAXS)測定をSPring-8において行った。その結果30 nmの構造は検出されず、分裂期染色体と同様に、ヒト間期クロマチンにも30 nmのクロマチン線維が存在しないことが示唆された。さらに超小角X線散乱(USAXS)測定においても、50~1000 nmの範囲において、間期クロマチンに周期的な構造は観察されなかった。間期クロマチンの限られた領域では30 nm線維や他の規則的な階層構造が存在している可能性は否定できないが、SAXSやUSAXSの結果から、間期クロマチンの大部分の構造もヌクレオソーム線維が不規則に折り畳まれていると考えられる。上記の成果を論文にまとめNucleus誌に掲載された。また、凍結水和生体試料では試料粒子の周りは氷の層が広がっているため、従来のデータ解析アルゴリズムがそのまま適用できない可能性がある。このため昨年度に引き続きアルゴリズムの改良に取り組んだ。従来法では試料位置をスキャンして複数回のコヒーレント回折測定をする必要があったが、ひとつのコヒーレント回折データのみから試料像を再構成する新手法について検討した。計算機シミュレーションの結果、複雑な試料構造を持つ場合にも、新たに開発したアルゴリズムの有効性を示す結果が得られた。上記の成果を論文にまとめOptics Exprss誌に掲載された。また、試料を時間的に凍結させる試みとして、X線自由電子レーザー施設SACLAを用いたコヒーレントX線回折顕微法測定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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