2011 Fiscal Year Annual Research Report
プログラマブル・セルフ・アセンブルを用いたMEMSとナノ構造の融合プロセス
Project/Area Number |
22310081
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田畑 修 京都大学, 工学研究科, 教授 (20288624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 政幸 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 准教授 (70335389)
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Keywords | DNA / MEMS / NEMS / ナノ構造 / セルフアセンブル / 融合プロセス |
Research Abstract |
DNAナノ構造体を使ってプログラム可能な金粒子配列化の設計と構築を検討した。2次元ナノ構造体に長方形の空間を複数導入し、チオールを結合したDNAオリゴマーを介して、5nmの金ナノ粒子を固定化した。この方法では2次元のオリガミ醸造体に対して、縦、横、対角方向に自在に金粒子を配列することが可能となった。また、DNAオリガミ構造体の熱に対する安定性を改善するために、光架橋分子による分子内架橋を行った。この方法で、温度に対する安定性は大幅に改善され、この光架橋した複数のDNA構造体をプログラム通り配列化できることにも成功した。これらの金粒子の2次元ナノ構造体上での配列化とプログラムしたDNA構造体の配列化を組み合わせることで、金粒子の比較的大きな2次元平面上での自由な配置が可能である。 また,6本の二重鎖を束ねたバンドル構造を有する400nm長のDNAナノ構造体を作成し,軸上に14nmピッチで28個の金ナノ粒子(5nm~15nm)を固定化することに成功した.この構造を1次元にセルフアセンブルすることで,マイクロメートルオーダのプラズモン光導波路を実現できる目処がついた. さらに溶液中でのDNAナノ構造体のセルフアセンブルプロセスにおける反応速度定数および逆反応速度定数の温度依存性を測定する手法を考案した.考案した手法を用いてπスタッキング力による結合およびリンカDNAのハイブリダイゼーションによる結合が支配するセルフアセンブルプロセスにおける反応速度定数および逆反応速度定数の温度依存性(20度~50度)を明らかにした.これより,これまで試行錯誤で行ってきたアニールプロセスをシミュレーションにより最適化することが可能となった.また,50度以上におけるDNAナノ構造体の安定性を高めることがセルフアセンブル収率の向上に重要であることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DNAナノ構造体を使ってプログラム可能な2次元ナノ構造体上での金粒子配列化に成功し、また、プログラムに従ったDNAナノ構造体の配列化,マイクロメートルスケールの1次元金ナノ粒子配列構造の実現,溶液中でのセルフアセンブルプロセスの速度論的な解明にも成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
金粒子の2次元配列化とプログラムしたDNA構造体の配列化を構造上組み合わせ、より大きな金粒子の2次元平面上での自由な配置を実現する。また、アセンブルし配列された金粒子とDNAナノ構造体の機能評価を行う。さらに,溶液中に投入するリンカの種類によって結合するDNAナノ構造体のセルフアセンブルプロセスを制御するディレクティド・セルフ・アセンブルプロセスの実現可能性を検証する.またシリコン基板上でのDNAナノ構造体のディレクディド・セルフアセンブルの実現可能性検証も進める.
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