2010 Fiscal Year Annual Research Report
動的ネットワーク型包絡分析法の理論と応用に関する研究
Project/Area Number |
22310092
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
刀根 薫 政策研究大学院大学, 政策研究科, 名誉教授アカデミックフェロー (00051235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 博文 福岡大学, 商学部, 教授 (80218958)
河口 洋行 国際医療福祉大学, 医療経営管理学科, 准教授 (40364666)
浅井 澄子 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (00329476)
上田 徹 成蹊大学, 理工学部, 教授 (60276649)
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Keywords | DEA / ネットワークDEA / ダイナミックDEA |
Research Abstract |
理論面では、(1)動的ネットワークDEAの基礎理論を作成し論文を作成中である。(2)ネットワークSBM(NSBM)において解の唯一性を保証する方法を提案した。(3)動的SBM(DSBM)において解の唯一性を保証する方法を提案した。(4)技術的効率性の第3極としてEBM(epsilon-based measure of efficiency)を提案した。これはRadial(CCR等)とNon-radial(SBM)の両者を統一的に取扱うもので、DEAの特徴であるデータから構造を読取るという性質を強く持っている。ガス事業については、競争導入前後の時期に当たる1990年度から2008年度の大手15社のガス事業者を対象に技術効率性を計測し、規制緩和の評価を行った。その結果、競争が顕在化している都市部の事業者の効率性は高く、一般ガス事業では、規模の格差だけではなく、効率性の面でも事業者間に格差があることが示された。医療福祉では、病院データの収集及び動的ネットワークDEAでの使用に耐えうるかの検証を行った。民間病院では売上高については信頼性の高い多期間データが利用できるものの、入院・外来別などの部門別データは利用が困難なことが判明した。残る自治体病院において、その経営実態を反映する変数として、「不良債務額」及び「起債残高」の検討を行い、そのデータ整備を行った。今後は、整備したデータを用いた時系列での効率性の測定を実施する予定である。企業経営については長期的視野から企業活動の効率性や改善目標を論じるときに、企業の規模の適切さを認識する必要がある。そこで、規模の効率性に関する定義や求め方を整理し、ネットワーク型包絡分析法における規模の効率性の評価ができるよう検討を進めている。金融面ではM&AをDEAの枠組みでモデル化し、九州地域の信金に適用した。またbad outputsを含むtwo-stageモデルを作成し論文として発表した。
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