2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22310094
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 浩 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60210176)
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Keywords | 包絡分析法(DEA) / 効率性分析 / 不確実性 / 一元配置法 / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
効率性理論は社会科学の分野では広く応用されてきているが,これを生産工程や品質管理,設備運用などの固有技術によるところの大きい工学分野へ展開することを目的として,効率性分析手法である包絡分析法の拡張と開発を行った.効率性に相当する概念に対する関連研究として,経営工学における作業効率性,統計学における異常値の取り扱い,計量経済学における生産関数理論などを取り上げた.包絡分析法の拡張や融合によって次の解析法を提案した。 ・実験計画法や多変量解析などの統計手法に非効率性の概念を取り入れることにより,非効率性を排除した本質的なシステムの能力を評価することが可能となる.本研究では,一元配置法において非効率性を入れたモデルの拡張を行い,非効率性が存在するかどうかを判定し,存在する場合にはその大きさを推定した. ・不確実性のもとでの効率性を評価するときに多様な評価指標を示すための手法として,遺伝的アルゴリズムを用いた手法を提案した.FDHモデルにおける評価結果のロバスト性の解析を行い,より一般的なCCRモデルなどへの拡張性についても示した, ・複数の評価視点を有する問題に対しては,評価基準が複数存在し,改善目標も明確にはならない.このような状況で,ゲーム理論における交渉解の概念を用いて,統一的で合理的な評価基準を示すための評価モデルを考察し,その有効性を示した.中国や日本の銀行の業績評価を事例に取り上げ,実証研究もおこなった.
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Research Products
(6 results)