Research Abstract |
当該年度に実施した研究の成果は学術雑誌,国内会議,国際会議での口頭発表で個別にまとめられたものが公開されている 学術雑誌と国内会議での口頭発表の内容は,交付申請書に記載した「研究の目的」にある国内外の環境負荷削減,規制有害物質管理への取組みに関する調査・先行研究の知見を整理し,日本ならびに諸外国の生産管理手法や制度等を比較したものである.また,中小企業における環境経営の現状と動向について系統的に実情を整理,分析,把握するとともに,企業における規制有害物質管理の対象となる生産工程や調達の調査とモデル化を行った.本研究の枠組みに係わる環境負荷削減,規制有害物質管理への取組みが促進ならびに躊躇される要因を明確にするために企業の環境部門担当者から聞き取り調査を行った.その準備作業のために,協力企業と事前の意見交換を通じて調査範囲,項目,選択肢の絞り込みにより調査票の設計を行った 消費者が環境に配慮した製品をどのように評価して,それが製品にとっての競争優位性にどのように結びついているかを調査して分析した.この作業は既存の調査報告書や先行研究をサーベイしたうえで行うことができ,企業への聞き取り調査ならびに消費者の購買行動における環境への意識について採集されたデータはコーディング方法を検討して,データベースに登録することで,今後の作業における使用を容易にし,分析の標準化の基礎となる 環境省の調査では,企業が実際に行っている環境対策と消費者が企業に望んでいる対策が大きく食い違っていることが示されているが,消費者が要望する環境対策と企業の行っている対策のマッチングの程度を計測する手法を提案することが求められる.そのため,マッチングの度合いと製品・サービスの競争優位との関係について分析する手法を提案した.さらに,サービスを含めた製品の環境配慮の度合いが競争優位性を介して,企業価値やブランドにどの程度影響しているかを分析する.これは,下流工程である消費者あるいは企業がもつ環境合理性の表れであり,意思決定者が考慮すべき情報であり環境調和実現に向けて働く原動力と考えられる
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