2011 Fiscal Year Annual Research Report
高速で噴出する拡散火炎(バックドラフト時の火炎)の性状の計測とモデリング
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22310105
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Research Institution | Tokyo University of Science, Suwa |
Principal Investigator |
須川 修身 諏訪東京理科大学, システム工学部, 教授 (60162856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 友彦 諏訪東京理科大学, システム工学部, 助教 (50450664)
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Keywords | 火災 / バックドラフト / 噴出時火炎 / 乱流拡散火炎 / 火炎性状 / 物理モデル / 噴出角度 / 液体燃料 |
Research Abstract |
本研究は、高速噴出火炎性状の計測とモデリングを目的として研究を行った。 具体的には、昨年度作成した高速噴出火炎を形成する装置を用いて、定常的な火炎の長さと温度を実験的に調べた。火炎温度は4×4mの範囲に47個のK型熱電対(Φ0.32mm)を用いて唄掟した。実験条件は、実験Aノズル直径0.6mm,噴出圧力0.4,0.8,1.2,1.5MPa,噴出角度0°,30°,45°,60°,90°,実験Bノズル直径2.0,3.0mm,噴出圧力0.2,0.5,1.0MPa,噴出角度0°,45°,90°とした。燃料には、イソパラフィン系ソルベントを用いた。火炎長さはビデオカメラで撮影した火炎画像のうち、火炎形成時から3秒後からの1秒間で1/30秒ごとの火炎の形状を画像から読み取った。 火炎長さと無次元発熱速度Q^*の関係において、実験A)では、Q^*>106の範囲で燃料がすぐ蒸発して燃焼した無次元火炎長L_M/dは、噴出角度90°ではQ^<*2/5>に,0°~60°ではQ^<*2/3>に比例し長くなった。また、燃料液滴が噴出方向に飛翔し遅れて燃焼した無次元火炎長L_a/dは、全条件でQ^<*2/5>に比例して長くなった。実験Bでは噴出圧力に伴い火炎長さは長くなったが、噴出角度には殆ど依存しなかった。また、実測圧力は、既存の研究での同条件の値と比較して50%程度下回った。これは,管径の違い等による圧力損失が大きくなったためと考えられる。火炎温度は最高で実験Aでは、ノズルから1m付近で600℃、実験Bでは、ノズルから0.5m付近で1000℃程度と実験Bの方が火炎温度は高くなった。しかし、実験A)は火炎が大きいため、温度分布としては広範囲に分布していることが分かった。 実験A)は垂直方向以外の噴出では,燃料の慣性力で形成される火炎と浮力で形成される火炎の2軸に分かれた.Q^*>106の範囲で,L_M/dは噴出角度0~60°ではQ^<*2/3>,90°ではQ^<*2/5>に,L_a/dはどの角度でもQ^<*2/5>に比例して長くなった。実験B)ではL_M/dは噴出角度によらず、Q^<*2/5>に比例して長くなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標としていた、高速噴出火炎性状の測定は、温度、火炎形状の計測を計画通り行った。また、火炎形状のモデリングについて、検討中である。液滴噴出した燃料が、どのような分散分布で気相中に分散するかをシミュレーションし、燃料の噴出状況を予測した。
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Strategy for Future Research Activity |
火炎の周囲への影響を調べるためには、温度だけではなく放射熱についても検討する必用があり、放射熱量の計測も行う。現在の高速噴出火炎は、液滴で噴出する高分子炭化水素系油類(ソルベントなど)を主に燃料として用いた。今後は、気体燃料(水素等)において、同様の結果が得られるのか否かを検討する。また、火炎形状と発熱量、噴出角度との関係についてのモデリングも、引き続き検討を行う。
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Research Products
(1 results)