2010 Fiscal Year Annual Research Report
首都圏に特有の微地形境界斜面に着目したミクロレベル地震防災
Project/Area Number |
22310107
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中井 正一 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90292664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 幸代 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10372575)
関口 徹 千葉大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50451753)
三輪 滋 飛島建設株式会社技術研究所, 技術研究所, 所長 (60443636)
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Keywords | 地震 / 防災 / 構造工学・地震工学 / 地盤工学 / 認知科学 / 複雑食ネットワーク |
Research Abstract |
・本研究は、首都圏に特有の微地形構造に関わる地震防災上の諸問題を対象としている。 ・平成22年度は、微地形境界に分布する斜面の特定、地盤構造の把握、振動特性の検討、探査手法の検討、行動シミュレーション・杭基礎を用いた耐震対策法検討の準備、を行った。 ・まず、既往の地形データの分析により、首都圏東部地域には数千キロに及ぶ斜面(15°以上)の存在が、また、地盤調査を実施した結果、自然斜面上部には軟弱な表層が切土斜面に比べて厚く堆積していること、などが確認できた。また、台地上・埋立地・微地形境界を含む多数の地点に於いて、東北地方太平洋沖地震の観測記録を得ることができた。一方、地盤構造探査手法については、不整形地盤を対象に、微動場を理論的に表現し逆解析手法を適用する方法論の構築を行った。 ・行動シミュレーションの準備段階として、住民に提供する情報の一つであるハザードマップの検討(統計的学習によるボーリングデータの分類法)、情報提供によって生じるジレンマやパラドックス解消策としてコミュニティネットワーク構造の改変法(ロコミモデル)、および、適切な司令塔となりうるエージェント(信頼できる住民:ステークホルダ)の特定法の導入の効果を考察した。 ・急斜面の地震などによる崩壊対策に、その地域で得られる地産の材料として木杭を用いることを考え、その効果を確認するための基礎的な実験として、小型の振動実験を行った。法尻や斜面中腹に木杭を設置することにより崩壊を抑制する効果を確認できた。
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