2011 Fiscal Year Annual Research Report
電磁誘導および全磁力モニタリングによる水蒸気爆発場監視システムの開発
Project/Area Number |
22310109
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小川 康雄 東京工業大学, 火山流体研究センター, 教授 (10334525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 健治 東京工業大学, 火山流体研究センター, 教授 (70251676)
神田 径 東京工業大学, 火山流体研究センター, 准教授 (00301755)
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Keywords | 水蒸気爆発 / 電磁誘導 / 全磁力 / モニタリング / 噴火予知 |
Research Abstract |
平成23年度は、年次計画に従って(1)比抵抗観測、(2)地磁気観測、(3)火山ガス観測を継続して行なった。(1)比抵抗観測については、Volcano-loopシステムの送信波形に関して調整を進めた結果、24bit-AD変換回路に問題があることが判明し、代替のAD回路の検討を行なった。設置予定地において送信テストも行ったが、ringingの問題はこれまでのところ解決されていない。来年度も引き続きこの問題の解決に注力する。(2)地磁気観測については、昨年度購入した2台に加えて、さらに2台を本科研費により調達し、草津白根火山湯釜周辺の4箇所で連続観測を行なうネットワークを構築した。これにより、地磁気データと火山活動との対比が行えるようになった。これまでに得られたデータからは火山活動に対応する顕著な変動は得られていないものの、湯釜・水釜の南の2観測点では若干の地磁気増加傾向が見られ、帯磁傾向が継続していることが示唆された。その他、データを無線LAN経由で送信できるようにする計画であったが、伝送経路に問題が見つかり、来年度へ持ち越しとなった。(3)火山ガス観測については、引き続きデータ取得を続け、火山活動の変化に伴う温度や組成の変動をモニターした。噴気温度はいずれもこの標高での沸点程度であるが、この結果は、この領域に高温の火山ガスが継続的に供給され続けている事を意味している。2011年5月27日に傾斜変動を伴う火山性微動が発生し、その直後から湯釜南部を中心に地震活動が活発化したが、これは火山ガスが、地表下1kmにある粘土層に規制されたガス通路に沿って、草津白根火山中腹から山頂域に移動したことによると考えられる。なお、対応する地磁気変化は観測されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地磁気観測と火山ガス観測について、順調に研究が進行している。一方、比抵抗観測については、Volcano-loopシステムの送信波形に関して調整を進めた結果、24bit-AD変換回路に問題があることが判明し、代替のAD回路の検討を行なった。設置予定地において送信テストも行ったが、ringingの問題はこれまでのところ解決されていない。来年度も引き続きこの問題の解決に注力する。
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Strategy for Future Research Activity |
Volcano-loopシステムの送信波形に関して調整を進め、24bit-AD変換回路によるringingの問題を解決する。このため、AD変換の方式についてさらに検討を進め4る。
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[Journal Article] Shallow Resistivity Structure of Sakurajima Volcano Revealed by Audiofrequency Magnetotellurics2012
Author(s)
Kanda, W., T. Yamazaki, Y.Ogawa, T.Hashimoto, S.Sakanaka, K.Aizawa, S.Takakura, T.Koyama, K.Yamada T.Kobayashi, S.Komori
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Journal Title
Bull.Volcanol.Soc.Jpn
Volume: (In press)
Peer Reviewed
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