2010 Fiscal Year Annual Research Report
IVV法を用いたiPS細胞における潜在的腫瘍形成能に関する分子機構の解明
Project/Area Number |
22310121
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柳川 弘志 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40327672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘山 誠司 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究講師 (90338202)
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Keywords | Klf4 / Lin28 / Nanog / iPS細胞 / mRNAディスプレイ / In vitro virus / 複合体 / 分子機構 |
Research Abstract |
本研究の目的は、人工多能生幹(iPS)細胞における潜在的な腫瘍形成能に関する分子機構を明らかにすると共に、腫瘍化マーカー因子に関する知見を得ることである。本年度はいくつかの体細胞において細胞増殖および(あるいは)腫瘍形成に関わる因子として知られるKlf4、Lin28、およびNanog(以下、鍵転写因子と称する)を手がかりとし、鍵転写因子群と相互作用する因子を、我が国独自の遺伝子ネットワーク解析技術であるin virus(IVV)法を用いて網羅的にスクリーニングし、鍵転写因子と相互作用する未知の因子を探索することを目指した。最初に、様々な転写因子を網羅し、かつ多様性と複雑性を兼ね備えたIVVライブラリーを構築した。次にこのIVVライブラリーを用いてスクリーニングを行った。その結果、Klf4については8種類の、Lin28 については 13 種類の、Nanogについては 16 種類の相互作用候補を得た。In vitroプルダウンアッセイの結果、Klf4については4種類、Lin28 については2種類、Nanogについては3種類の因子が相互作用することを確認できた。これらの因子は全て相互作用に関して未報告のものであった。Klf4で得られた因子の機能はそれぞれ細胞増殖およびアポトーシス抑制、NF-κB活性化抑制、腫瘍抑制因子との相互作用、および癌遺伝子産物であった。Lin28で得られた因子の機能はそれぞれクロマチンリモデリングおよびDNA結合であった。Nanogで得られた因子の機能はそれぞれヌクレオソーム形成およびクロマチンリモデリング、細胞膜融合、およびプロテアソーム形成であった。 以上より、IVV法を用いて既存の手法では得られない新規な相互作用を見出すことに成功した。本研究の結果は、最終目標で掲げた鍵因子を中心とした分子機構の全容の解明および腫瘍化マーカー因子に関する知見の取得を進めていく上で非常に重要な基盤データとなるものである。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Protein complex prediction via verifying and reconstructing the topology of domain-domain interactions2010
Author(s)
Ozawa, Y., Saito, R., Fujimori, S., Kashima, H.,Ishizaka, M.、Yanagawa, H., Miyamoto-Sato, E., Tomita, M.
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Journal Title
BMC Bioinformatics
Volume: 11
Pages: 350-361
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Operon structure optimization by random self-assembly2010
Author(s)
Nakagawa, Y., Yugi,K., Tuge, K., Itaya, M., Yanagawa, H., Sakakibara, Y.
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Journal Title
Natural Computing
Volume: 9
Pages: 173-181
DOI
Peer Reviewed
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