2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22310129
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村田 稔 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (20166292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岐 清孝 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (70305481)
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Keywords | シロイヌナズナ / ゲノム再構成 / Cre-LoxP / Ac-Ds / 染色体 / 相互転座 / 組換え |
Research Abstract |
本研究では、モデル植物であるシロイヌナズナの核ゲノムを人工的に再構成させ、系統として確立するとともに、結果として起こる遺伝子発現の変化を詳細に解析することを目的とする。そのため、シロイヌナズナにバクテリオファージP1ファージ由来のLoxP配列を導入した形質転換体を作成し、Creリコンビナーゼを発現する個体との交配により、配列特異的な組換えを誘発する系の確立を目指す。 これまで、2つのLoxPサイトをもつバイナリーベクターWiscDS-LoxP系統(Co1-0エコタイプ)を米国ABRCより入手し、T-DNAの挿入がどのように起こっているか解析した。これらのうち、ファイバーFISHによりシングルコピーの挿入が確認された数系統について、Ac転移酵素発現個体と交配し、DS-LoxP-DSが他の部位(染色体)に転移した系統を複数系統得た。そこで、これらとCreリコンビナーゼ発現個体(C24エコタイプ)とを交配し、その後代をPCRとFISHで調べた。その結果、LoxP間の染色体間組換えは確認されなかったが、染色体内の組換えは確認された。また、これらとは別に、LoxPを1つ含むコンストラクトを3種類(pBlox、pBloxCreとpBarlx)構築し、これらの形質転換体を作成した。現在までに得られた形質転換体のうち、T-DNAの挿入位置が確認されたのは11個体で、1番染色体から5番染色体のいずれかに挿入が認められた。現在、新規に作成したCreリコンビナーゼ発現個体(Col-0エコタイプ)との交配を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、LoxP配列を少なくとも2ヵ所含む系統を複数作成し、人工的に相互転座を引き起こすことを目的としている。これまで、期待された系統が順次得られつつあり、実際に相互転座が誘発されるかを検証する最終段階に来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では、染色体間の組換えがCre-Loxシステムによって実際に誘発されるかを確認する段階に入っている。従来用いていたCre発現個体はC24エコタイプ由来であったため、Col-0との交配で、花芽形成が大幅に遅延するデメリットがあった。今回新たにCol-0からCreリコンビナーゼ発現個体を作成したので、今後は効率的な研究展開が期待できる。
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