2011 Fiscal Year Annual Research Report
死海の耐塩性ラン藻のナトリウムイオンおよびグリシンベタイン濃度の制御機構の解明
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22310131
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
高倍 昭洋 名城大学, 総合研究所, 教授 (80097766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 義人 名城大学, 理工学部, 教授 (10247679)
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Keywords | 耐塩性ラン藻 / グリシンベタイン / 塩ストレス / 環境 / 食糧 / 植物 / 遺伝子工学 / 浸透圧 |
Research Abstract |
死海という高塩濃度のもとで生育する酸素発生型光合成生物ラン藻Aphanothece halophyticaの塩ストレス適応機構を解明し、その成果を塩・乾燥に強い植物の開発に生かすことを目的としている。 申請者達は、このラン藻は通常のF-type H^+-ATPaseとともにF-typeのNa^+-ATPaseと思われる遺伝子をもつことをみいだした。実際に新規F-type ATPase遺伝子を単離し、F-type ATPaseをもたない大腸菌の変異株DK8にプラスミドの形で導入した後、このAp-ATPaseを部分精製し、これがATPの加水分解活性、合成活性を持つことを明らかにし、論文として発表した Aphanothece halophyticaの新規のABCタイプのベタイントランスポーター遺伝子については、これらを単離し、ベタインの合成・取り込み遺伝子を欠損した変異株MK13を用いて機能を調べている。 Aphanothece halophyticaのアルカリフォスファターゼD(PhoD)が塩ストレスにより誘導されることを見出した。これまで、ラン藻のPhoDに関する研究は皆無の状況であったので、PhoD遺伝子を単離しその生化学的性質と生理的役割につい調べ論文として発表した。 新規のABCタイプのベタイントランスポーター遺伝子については、これらを単離し、ベタインの合成・取り込み遺伝子を欠損した変異株MK13を用いて機能を調べている。 ラン藻のアミノ酸トランスポーターの遺伝子は、AnabaenaとSynechocystis sp PCC 6803について報告されたが、遺伝子の相同性、トランスポーターの性質(基質)がラン藻により異なり今後の研究が必要である。Aphanothece halophyticaからグルタミン酸トランスポーターと思われる遺伝子を単離し、その生化学的性質を調べた(投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の年度目標はほぼ達成しており、論文としても発表してきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の推進方策に従い、実行あるのみである。
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[Journal Article]2011
Author(s)
Yamada N, Cha-Um S, Kageyama H, Promden W, Tanaka Y, Kirdmanee C, Takabe T
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Journal Title
Tree Physiol
Volume: 31
Pages: 462-468
Peer Reviewed
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[Presentation] Regulation of DMSPin Ulva2011
Author(s)
Shibata Ayumi, Minoru Fukaya, Hakuto Kageyama, Teruhiro Takabe
Organizer
International Symposium on Green Biotechnology
Place of Presentation
Nagoya, Japan
Year and Date
2011-10-20