2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域との協働と空間モデルによる淡水生態系衰退の複合影響要因と適応策に関する研究
Project/Area Number |
22310143
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鷲谷 いづみ 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40191738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 潤 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特任助教 (30420227)
西原 昇吾 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特任研究員 (90569625)
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Keywords | 淡水魚類 / 二枚貝 / 共生関係 / 複合影響 / 協働 / 侵略的外来種 / 水生生物 / 氾濫原ハビタット |
Research Abstract |
(1)淡水魚類およびそれらと共生関係にある二枚貝の分布を決める要因を検討した。福井県三方湖流域では、タナゴ類の1種ヤリタナゴ(準絶滅危惧種)の分布に影響を与える要因を、産卵床である二枚貝のドブガイ・イシガイとの関係性を考慮しながら、空間モデルを用いて分析した。68地点の分布・環境調査と解析の結果、二枚貝が水路延長250m以内に存在する、侵略的外来種ウシガエルがいない、水深が浅い場所においてヤリタナゴの出現頻度が高くなった。また、北海道朱太川水系では、黒松内町および漁業関係者と協力して、ヤマメに寄生する二枚貝であるカワシンジュガイ(絶滅危惧II類)の分布調査を実施した。27地点におけるデータが得られ、現在解析中である。(2)生物多様性の高いため池が残存する岩手県久保川流域において、ウシガエルが水生生物相に及ぼす影響を評価した。63地点での調査結果では、ウシガエルが侵入して数年以内のため池でも、未侵入の池に比べてコウチュウ目の種数が平均4.6種から3.3種へと有意に減少した。この地域では、久保川イーハトーブ自然再生協議会による自然再生事業が進められており、2010年よりウシガエルの排除が開始された。(3)三方湖流域において、漁業・農業関係者、市民など多様な主体との協働によって、シュロを用いたフナの産卵調査および伝統的漁法による湖の生き物調査を実施した。その結果、水田水路に設置したシュロにフナの産卵が確認され、これを水田に導入することによりフナ個体群の再生に有用であることが示された。湖の生き物調査では、記録された魚類732個体中596個体が侵略的外来種ブルーギルであることが示された。また朱太川水系において、78地点の魚類相調査を実施した結果、10科29種が確認され、その中にはエゾホトケドジョウとフクドジョウが含まれていた。両種は、本地域において自然分布の可能性も否定できないことが示された。
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[Journal Article] Stable isotope and molecular analyses indicate that hybridization with non-native domesticated common carp influence habitat use of native carp2010
Author(s)
Matsuzaki, S.S., Mabuchi, K., Takamura, N., Hicks, B.J., Nishida, M., Washitani, I.
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Journal Title
OIKOS
Volume: 119
Pages: 964-871
Peer Reviewed
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