2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22310145
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
岡部 貴美子 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, チーム長 (20353625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升屋 勇人 独立行政法人森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 主任研究員 (70391183)
神崎 菜摘 独立行政法人森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 主任研究員 (70435585)
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Keywords | ダニ / 菌 / 線虫 / 共生 / 便乗 / 昆虫 |
Research Abstract |
微生物多様性の保全手法として共生系の保全の意義を解明し森林の生物多様性保全管理に資するため、微生物と便乗者の相互関係の解明を行った。落葉広葉樹林できのこ子実体からダニおよび昆虫を採集し、解析した。ダニの種の多様性ときのこの種数との間には高い相関が認められた。従ってきのこ生息性のダニの多様性は生態系の多様性に関係があるという従来の仮説が支持された。またきのこ生息性のダニの移動分散様式ごとの種数の割合は、便乗と自力で移動との間でほぼ等しかった。このことからパッチ状のハビタットであるきのこを利用するためには風等の偶然の移動分散はほとんど成功せず、ハビタットの連結性が重要であることが示唆された。生木(樹液)、枯死木(朽ち木)を利用する昆虫の代表として、クワガタムシ科の8種に関して、線虫検出調査を行った。この結果、11タイプの線虫を検出し、いずれも微生物食性の昆虫嗜好性線虫であり、クワガタ成虫に便乗し、幼虫のハビタットで自由生活するものと考えられた。便乗昆虫特異性は全般に低く、昆虫の多様性との相関は低いと考えられた。昆虫便乗性菌類の採集、分離のため、樹皮下穿孔性キクイムシ、養菌性キクイムシを中心に採集を行った。そして分離された菌類のうち特にキクイムシの適応度に影響を及ぼすオフィオストマトイド菌類、アンブロシア菌類の多様性を調査したところ、カラマツヤツバキクイムシの随伴するオフィオストマトイド菌類で最も多様な種類が検出された。一方、アンブロシア菌類の種数はナガキクイムシでは複数種あったものの、その他養菌性キクイムシでは少なかった。
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Research Products
(5 results)