2012 Fiscal Year Annual Research Report
東アフリカ農村の内発的発展に向けた農牧工複合モデルの構築
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22310151
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊谷 樹一 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (20232382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒崎 龍悟 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (90512236)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 環境保全 / 住民グループ / 食料生産 / 水力発電 / 農村開発 / 植林 |
Research Abstract |
本研究では、地域の内発的発展に資する理念・方法に従いながら、タンザニアの農村で農林牧業を複合した開発モデルの構築を目指した。対象地域が抱える主要な課題を、1.食料の安定生産、2.地域経済の向上、3.環境保全と定め、生態・社会・生業の各枠組みを横断する活動を展開してきた。活動は住民グループが主導し、彼らとの対話・協議をとおして方針の実施可能性・妥当性・将来性を検討するとともに、住民の反応や意識の変化について参与観察した。 タンザニアの農村部では急速にすすむ市場経済化のなかで、農地拡大や農業の近代化が生産性の低下・地域経済の低迷・森林荒廃を招いている。そこで化学肥料に依存しない農業の集約化とその持続的な運用を目指して次のような活動を展開した。1.食料を安定的に供給する試みとして、優良品種(作物)の導入と維持機構の形成、乾季作の拡充、牛糞堆肥の生産と施用などを実施した。2.穀物価格の季節変動に着目し、穀物貯蔵庫を用いた出荷調整を試みた。3.作物の養分・水・食料・燃料などの供給源である生態環境を維持するため植林にも着手した。タンザニアには酒を生産できる特殊なタケが自生しており、それを対象地域に導入することで、土壌浸食の防止と現金収入の両立を図った。また近年、都市で建材や木炭の需要が高まり、木材が重要な現金収入源となっていることを受け、森林保全と現金収入を兼ねた外来樹林の造成に取り組み、その循環的な利用をとおして天然林への負荷を軽減しようとした。さらに、村を流れる川に小水力発電施設を設置し、村のエネルギー問題・共有財産の管理・集水域涵養林の重要性などに関する意識を高めるとともに、新たな経済活動を創出した。 これらの活動は、相互に関連しながら順調にすすんでおり、農牧工を複合した総合的な開発モデルがアフリカの農村開発にとってきわめて有効であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)