2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22320007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上野 修 大阪大学, 文学研究科, 教授 (10184946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 隆 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (30170088)
須藤 訓任 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50171278)
合田 正人 明治大学, 文学部, 教授 (60170445)
入江 幸男 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70160075)
松田 毅 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (70222304)
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Keywords | スピノザ / 影響作用史 / 近現代哲学 |
Research Abstract |
5回の公開研究会を開いた。 1 第3回研究会「ドイツ古典哲学におけるスピノザ問題」(スピノザ協会と共催、2011年7月16日大阪大学豊中キャンパス)。発表は次のとおり:平尾昌宏「クリスチャン・ヴォルフのスピノザ主義理解」/松山壽一「自由と必然またはシェリングとスピノザ」/栗原隆「スピノザにおける無限性とヘーゲルにおける「自己関係」」。神学者からの合理主義批判をかわすためのヴォルフによるスピノザ批判、シェリングによるスピノザ的実体の「自我」化、ヘーゲルによるその「主体」化の過程が明らかにされ、スピノザに対するドイツ古典哲学の拒絶と憧憬がないまぜとなったアンビバレントなスタンスが具体的に見えてきた。スピノザにおける論理的冷徹への違和、弁証法的な自己関係性や否定性の不在への違和がドイツ古典哲学を大きく規定し限界づけていることが確認された。 2 第4・5回研究会としてWiep van Bunge教授(ロッテルダム)を招き講演と討議を行なった(スピノザ協会・哲学会との共催、2011年10月8日大阪大学豊中キャンパス、10月10日東京大学本郷キャンパス)。講演題目は「スピノザとコレギアント」、「スピノザとオランダ」。スピノザの民主的発想の背景となったコレギアント運動、およびオランダにとってのスピノザの歴史的意義について貴重な知見を得た。 3 第6・7回研究会としてHan van Ruler教授(ロッテルダム)を招き講演と討議を行なった(スピノザ協会と共催、2012年2月29日東京大学駒場キャンパス、3月10日大阪大学豊中キャンパス)。発表題目は「恩寵か徳か?-カルヴァン派デカルト主義の観点から見るスピノザの『エチカ』」、「スアレスを装って-スコラ哲学の実体論とスピノザの神」。スピノザ哲学の意外に宗教的な側面が明らかにされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定を上回る回数の研究会を開くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き同様の研究会を持ち、年度後半に総括的なシンポジウムを行なう。
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Research Products
(16 results)