2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22320009
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
大庭 健 専修大学, 文学部, 教授 (00129917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 孝彦 北海道大学, 文学研究科, 教授 (00113598)
越智 貢 広島大学, 文学研究科, 教授 (00152512)
坂井 昭宏 桜美林大学, 人文学系, 教授 (20092059)
桑原 直巳 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (20178156)
氣多 雅子 京都大学, 文学研究科, 教授 (20201478)
野家 啓一 東北大学, 文学研究科, 教授 (40103220)
本間 直樹 大阪大学, コミュニケーションデザインセンター, 准教授 (90303990)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 哲学 / 倫理学 / 自然主義(自然化) / 臨床哲学 / 哲学教育 / 子どものための哲学 / 主体性 |
Research Abstract |
本研究は哲学のアイデンティティの融解とも形容しうる状況のなかで、哲学に特有の思考の特質を再確認し、かつ、哲学的思考を育む教育のあり方を検討するという二兎を追うものであった。しかし、研究を重ねれば重ねるほど、むしろ現状の混迷の深さが際立ってきた感を否めない。 哲学に特有の思考の特質を浮き彫りにするために、本年度は、1) 阪大の臨床哲学を嚆矢とする「哲学のエクスターン・シップ」、2) 行為論における「哲学の自然化」をどう捉えるか、という二点に絞って、研究・討論を重ねたが、明確な共通認識に達したとは言い難い。1)にかんして言えば、哲学のいわば外延の拡大とともに内包も豊かになった・むしろ拡散した、という二つの見方が可能であり、2)にかんしても、因果などの諸概念の濫用や主体性の軽視を危惧する見方と、そうした危惧の保守性を批判する立場の双方が可能であって、議論の収斂する方向を見定めるのが難しいことが明白となった。 もう一方の課題、哲学的思考を育む教育については、一方では、初中等教育において、教科とは違う形での「子どものための哲学」の実践の検討を重ねてきたが、ここでも、いわゆる「批判的思考」一般に回収しがたい「哲学的思考」の核をめぐって上記と類比的な問題のあることが明らかとなった。他方ではまた、教科としての高校「倫理」および大学での哲学教育の実態の調査と分析に努力した。幸い、高校450校からアンケートに回答いただけた他、それとは別に約600校でのデータを作成できたのだが、申し訳ないことに、時間的・人的資源の制約で、年度内に解析ができなかった。また大学の哲学教育についても約100大学のシラバスを分析する作業を続けたが、こちらも年度内に完了できなかった。 なお、この間の合同研究会での報告などの主なものを『哲学の委縮と拡散』というタイトルで冊子体にまとめることができたことを付記しておく。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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