2012 Fiscal Year Annual Research Report
絵巻に描かれた「場」と「もの」に見る中世日本の重層的世界観に関する研究
Project/Area Number |
22320026
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
池田 忍 千葉大学, 普遍教育センター, 教授 (90272286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 朝江 東海大学, 工学部, 教授 (70212587)
亀井 若菜 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (30276050)
久保 勇 千葉大学, 人文社会科学研究科(系), 助教 (10323437)
柴 佳世乃 千葉大学, 文学部, 教授 (60235562)
土屋 貴裕 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 研究員 (40509163)
水野 僚子 日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (30469209)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 美術史 / 文学一般 / 日本史 / 絵巻 / ジェンダー |
Research Abstract |
最終年となる平成24年度は、昨年までに枠組みを完成した「「型」で横断する絵巻情報検索システム」の充実をはかるために、作品情報の入力に努めた。入力と検索のための「型」名称、キーワード一覧を整えた。絵巻の画面を構成する「型」は、画中の主要人物の行為に着目する「行為の型」と、建築や描かれた場の性格に着目する「空間・環境の型」の二種である。いずれも、絵巻の絵一段中から抽出された一定の範囲に対応する。また「型」と併せ、「型」を構成し特徴付けるモチーフ(「キーワード」)を選択し、AND検索、またはOR検索することで、(身分や性別に応じた)人の行為と空間・環境(場)との関係、人と人、人と動植物、人と「もの」との関係等を複数の絵巻作品中の場面から横断的に析出し、分析することが可能となる。 本年度は、ほぼ毎月の研究会を開催し、上記の検索システムの発想と利用成果を生かした事例研究を重ね、2013年1月12日には「絵巻研究の新視点 ―描かれた人の営み・環境に着目して」と題した公開シンポジウムを開催した。本科研の分担・協力者5名が、各自の事例研究に基づき報告をおこない、歴史・文学・美術史の各分野から招いた4名のコメントを得た。絵巻の豊かな情報へのアクセス、またそれらの情報に基づく領域横断的な研究、およびその成果を生かした教育・普及の可能性について、会場の参加者からも意見を得て、討議を深めることができた。その結果、本検索システムは研究目的の利用に加え、学生、および一般の絵巻・美術愛好者が、新たな視点から絵巻を見て、人の営みとそれが生起する空間がどのように変化したのかを、楽しみながら歴史的に検証する機会を創出するものとして有効であるとの確信を得た。本科研の成果公開を目的とした出版の準備を進めている(平成26年度中に公刊予定)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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