2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22320029
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
貫 成人 専修大学, 文学部, 教授 (80208272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尼ヶ崎 彬 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (70143344)
副島 博彦 立教大学, 文学部, 教授 (30154694)
石渕 聡 大東文化大学, 文学部, 講師 (80308155)
丹羽 晴美 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 研究員 (30440259)
島津 京 専修大学, 文学部, 講師 (80401496)
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Keywords | 藝術 / 美学 / 身体 / コンテンポラリーダンス / 文化政策 / 国際研究者交流 / ドイツ / 台湾 |
Research Abstract |
変貌する「アート」「藝術」の現状を、コンテンポラリーダンスについて探り、あらたな芸術論構築を図るのが本研究の目的である。そのために、平成23年度は、1、海外コンテンポラリーダンス上演実態のデータを入力し、2、独仏スイス、台湾など各地で上演実態調査をおこない、3、また各地の関係者にヒアリングをおこなった。4、同時に、各国の助成体制やグローバルシステムとの関連において、コンテンポラリーダンスの作品や作風、作家の特性などがどのように変化しているかを調査し、5、コンテンポラリーダンスと制度、世界システム、歴史システムとの関連に関する理論的考察を開始した。さらにまた、6、コンテンポラリーダンスの美学的特性をとりわけ音楽との関係から探るために、ダンサーと音楽家を招いたシンポジウムをおこない、実験的上演と意見交換、調査結果発表の機会とした。こうした調査の結果、コンテンポラリーダンスの上演やそのための助成制度が、昨年判明したインドや東欧などばかりではなく、アフリカやトルコ、中国などにまでひろがっていること、また、ドイツなど「先進国」における助成制度や美学にあらたな変化が見られることなどが明らかとなった。調査結果の一部はすでに、1、貫や尼ヶ崎、副島などによる研究論文、2、貫による、ドイツや台湾などにおける招聘講演、3、英訳を含む、本研究のホームページなどにおいて発表されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予測をはるかに超えた、コンテンポラリーダンスの全世界的拡散の模様が具体的に明らかになったこと、また、その調査結果の一部をすでに共著の形でまとめて発表することができた点、さらに、海外における招聘講演の機会が何度かあったことなどは、当初計画を超えた進展と言える。一方、逆に、調査を要する地域がひろがったこと、また、データ数が当初の予定を超えたため、その入力に時間がかかっている点は、計画に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、本研究課題の最終年度にあたるため、(1)入力された各国公演データの整理、(2)海外の公演事情などについての、一層の調査、(3)すでにえられた資料の整理、(4)以上をもとにした、コンテンポラリーダンスの「理論」、またそれにもとづく「藝術論」の構築、(5)以上をもとにした、国内外の研究者との意見交換、(6)調査結果やえられた理論などの、印刷物による公開をおこなう。
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